新宿区議会 > 2005-02-25 >
02月25日-02号

  • "発達障害者支援法"(/)
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  1. 新宿区議会 2005-02-25
    02月25日-02号


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    最終取得日: 2021-08-13
    平成17年  2月 定例会(第1回)      平成17年第1回定例会会議録(第2日)第2号平成17年2月25日(金曜日)出席議員(38名)   1番   有馬俊郎      2番   鈴木ゆきえ   3番   赤羽つや子     4番   吉住健一   5番   おぐら利彦     6番   下村治生   7番   志田雄一郎     8番   うるしばら順一   9番   根本二郎     10番   なす雅之  11番   麻生輝久     12番   川村のりあき  13番   くまがい澄子   14番   小松政子  15番   山添 巖     16番   深沢としさだ  17番   宮坂俊文     18番   桑原公平  19番   猪爪まさみ    20番   のづたけし  21番   あざみ民栄    22番   阿部早苗  23番   近藤なつ子    24番   沢田あゆみ  25番   小畑通夫     26番   とよしま正雄  27番   そめたに正明   28番   野口ふみあき  29番   秋田ひろし    30番   小野きみ子  31番   久保合介     32番   えのき秀隆  33番   田中のりひで   34番   笠井つや子  35番   雨宮武彦     36番   松ヶ谷まさお  37番   かわの達男    38番   山田敏行 --------------------------------------欠席議員(なし) --------------------------------------説明のため出席した者の職氏名  区長     中山弘子    助役     永木秀人  収入役    佐田俊彦    企画部長   猿橋敏雄  総務部長   石村勲由    区民部長   野口則行  福祉部長   布施一郎    健康部長   石崎洋子  保健衛生         渡邉紀明    環境土木部長 石川 進  担当部長  都市計画部長 河村 茂    企画課長   小栁俊彦  予算課長   寺田好孝    総務課長   酒井敏男  教育委員会          教育委員会         金子良江           今野 隆  教育長            事務局次長  選挙管理  委員会    矢口 亮    常勤監査委員 愛宕昌和  事務局長  監査事務局長 馬場慎一 --------------------------------------職務のため出席した議会事務局職員  局長     根岸紘一    次長     渡部優子  議事係長   大岡 博    議事主査   西村 茂  議事主査   倉田忠枝    議事主査   松本謙治  議事主査   前田好春    調査管理主査 太田誠司  書記     川津丈明 --------------------------------------  速記士    田中まゆみ --------------------------------------2月25日    議事日程 日程第1 代表質問 日程第2 第41号議案 公の施設の指定管理者の指定について--------+ 日程第3 第42号議案 公の施設の指定管理者の指定について        │ 日程第4 第43号議案 公の施設の指定管理者の指定について        │                           [委員会審査報告]--+ -------------------------------------- △開議 午後2時00分 ○議長(山添巖) ただいまから、本日の会議を開きます。 会議録署名議員は、  10番 なす雅之議員  27番 そめたに正明議員を指名します。 -------------------------------------- ○議長(山添巖) 本日の会議時間は、議事進行の都合により、あらかじめ延長します。 -------------------------------------- ○議長(山添巖) これから本日の日程に入ります。 日程第1、代表質問を行います。 質問の通告を受けましたので、順に質問を許します。 最初に、27番そめたに正明議員。     〔27番 そめたに正明議員登壇、拍手〕 ◆27番(そめたに正明) 平成17年第1回定例会の開会に当たり、私は、新宿区議会公明党を代表して、区長並びに教育委員会に質問をいたします。誠意ある御答弁をよろしくお願い申し上げます。 さて、区長の基本方針説明を拝聴して、区政に取り組む区長の意欲、熱意、勇気がひしひしと伝わってきました。「軍には大将軍を魂とす、大将軍憶しぬれば、つわものども臆病なり」と、ある哲人の言葉がありますが、何といってもリーダーたる区長の姿勢が区政のありようを決めると言っても過言ではありません。大多数の区民は期待をし、新宿の将来を区長に託しております。 昨年9月に調査をした区民の意識調査を見ると、新宿区の今のイメージは灰色、でも将来は緑色にとこんな結果が出ております。区長はこれをどう読まれましたか。これは、区民の率直な気持ちであろうかと思います。うれしいことに、将来は緑になるだろうと区民は大きな期待を持っていてくれることに、私は感動と勇気がわいてまいりました。これは、とりもなおさず中山区長への区民の期待と信頼のあらわれであろうと考えます。     〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕 住民と首長の信頼関係の構築こそ、新たな自治のあり方の実現を目指す基本であろうと考えます。私は、決して区長にお世辞を言うつもりではありません。ただ、区長が全力で走ってきたこの2年間に培った区民との信頼関係を大事にしていただきたいから申し上げているわけであります。どうか自信を持って区政運営に取り組んでいただきたい。私どもも全力で区長を支えていくことを申し上げ、具体的な質問に入ります。 質問の第1は、基本構想の見直し及び新基本計画の策定についてお伺いします。 区長は区政の基本方針の中で、基本構想の見直し及び新基本計画の策定に当たっては、その初期の段階から多くの区民や地域団体、NPO、企業等が参画するシステムをつくってまいりますと述べられました。そして、そのためのシステムとして、多くの公募区民からなる(仮称)新宿区民会議の設置を検討されています。基本構想の見直し及び新基本計画の策定に際し幅広い区民の参画を求めていくことについては、住民自治の充実を図る観点から全面的に賛同するものです。そうした基本的な視点を明確にした上で、幾つかの点についてお伺いをいたします。 1点目、区長は、まず新たな新宿像についてどう考え、行政を進めようとしているのか。区民参画はすばらしいことですが、区長の立場は、区民がつくり上げた構想をただ実現に向けて取り組むということなのか、選挙で示した区長の考えを区民の理解と協力で実現していくということとどう違うのか、どうお考えなのか確認をしておきたいと思います。 2点目は、(仮称)新宿区民会議の設置についてです。 (仮称)新宿区民会議は、100人規模の公募区民から構成すると言われていますが、現実的にそれだけの人数を集めるのには相当の工夫と仕掛けが必要と思われます。ただ漫然と公募しただけでは、声の大きい特定の人しか集まらない可能性があります。新宿区民会議委員の公募に当たっては、公平、公正な運営を行うためにも、性別、年齢、地域、職業といった基本的な部分については一定の基準を持って選考し、偏りのないような構成に配慮すべきと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。 3点目は、新宿区民会議地区協議会との関係についてです。 区長は、各出張所単位に区民の区政参画の場及び地域課題の解決の場として地区協議会を設置すると言われています。今回の基本構想の見直しや新基本計画の策定に際して、この地区協議会も積極的にかかわるものと思われますが、新宿区民会議との関係はどうするのか、両会議の位置づけも含めてお答えをください。 4点目は、議会との関係についてです。 基本構想の策定には、最終的には議会の議決が必要となります。そのため、今回の基本構想の見直し等に際しては、我が党としても基本的な姿勢や考え方を明らかにしていく考えです。 そこで、今回の基本構想の見直し等について区長は議会との関係をどのように考えているのか、新宿区民会議と議会との関係も含めてお答えをください。 質問の第2は、区財政の運営についてお尋ねいたします。 平成17年度予算案を見ますと、耐震補強対策の推進や統合新校、区民センターの建設など、必要な施設整備に向けて区長の積極的な姿勢が強くあらわれている予算案となっています。そのため、投資的経費は平成16年度に比べ21億円、48%の大きな伸びを示しています。そして、今後の投資的経費の伸びを見ますと、第四次実施計画の最終年度である平成19年度までに、平成17年度からの3カ年の合計で305億円に上ります。 これは、必要な施設整備を積極的に進めようとする区長の姿勢と高く評価するものですが、その一方で気になる点もあります。それは、生活保護費に代表される扶助費の伸びです。予算案の扶助費は、平成16年度に比べ16億円、7%の伸びとなっており、平成19年度までの3カ年では合計140億円にも上る見込みです。 第四次実施計画の財政フレームの中では、計画期間中の財源不足額が45億円と見込まれており、財政調整基金を取り崩すことを前提に対応するとされていますが、今後の景気状況や三位一体改革の動向など不透明な社会経済状況を考慮しますと、いささか心配になる面もあります。今後の財政運営においては、さらに先を見据え、平成20年度以降の対応も視野に入れていかなければならないと考えます。 そこで、区長にお伺いをします。 1点目、区長は、このような今後の経済社会状況の変化を考慮し、将来に向けどのような財政運営をしようとお考えなのか。また、平成17年度予算ではどのような工夫をされたのかについてもお伺いをします。 2点目、三位一体改革の影響が区の財政運営に与える影響にはいまだ不透明な面があるとはいえ、今後確実に区財政にも大きな影響を与えてくることになるであろうことは、想像にかたくありません。 そこで、三位一体改革による平成17年度予算への影響と平成18年以降の見込みについてもお聞かせください。 3点目は、自主財源の確保に向けた取り組みについてです。 今後の区財政の動向を考えますと、投資的経費や扶助費、維持修繕費の増加が予想されます。その一方で、こうした経費にかかわる国や都の補助金や支出金は、三位一体改革により一般財源化されたり縮減されたりしてきています。三位一体改革に伴う国からの税財源移譲が必ずしも十分とは言えない状況で区が自主的、自立的な区政運営を進めていくためには、自主財源の確保が大変重要となってきます。中でも、区の基幹的な歳入である特別区税の収入確保対策は喫緊の課題ですが、特に特別区民税の滞納繰越分の収入確保を少しでも高めていくことは、区民感情からしても当然のことです。 今までも、区は徴税努力をさまざまな形で行われてきています。18年度からは、コンビニエンスストアでの納税も可能にするようですが、今後一層の努力を期待するものです。 そこで、今後、特別区民税の滞納繰越分の確保対策としてどのように取り組んでいかれるおつもりなのかお伺いをいたします。 質問の第3は、都区財政調整制度における主要5課題への取り組みについてです。 都区財政調整制度における主要5課題への取り組みについては、その検討に強い関心を持って注視してきているところですが、残念ながら都区間の検討は具体的なレベルでの進捗が見られず、平成17年度の都区財政調整の協議開始までの残された日程では決着が難しくなってきているのではないかと危惧するところであります。 最大のテーマである都が行う大都市事務についての都の事業提示を見ても、区との歩み寄りが難しいのではないかと思われる内容となっています。この主要5課題は平成12年の都区制度改革の根幹にかかわる課題であり、この検討の行く末によっては、今後の都区の関係にも大きな影響を与えることは想像にかたくありません。 そこで、区長にお伺いします。 区長は、主要5課題の解決に向けて、区長会等で努力をされてきたと思いますが、現在のこの状況をどのように認識をされているのか。 また次に、区長は、今後都との協議にどのようにして取り組んでいこうとお考えなのかをお伺いいたします。 質問の第4は、新宿区高度地区変更原案についてお伺いをいたします。 新宿区として、土地の有効高度利用が町並み景観と調和をした形で図られるように、建築物の絶対高さ制限を定める高度地区を指定していくことには、一定の意義があることだと考えております。 都内の区や市の指定状況を見ると、同様の趣旨で文京区、目黒区、世田谷区、江戸川区など7区と三鷹市など4市が、先般の用途地域の見直しにあわせて絶対高さ制限を行ったようであります。これらはいずれも周辺区であり、新宿区のような都心区でこれだけ大規模な面積に高さ制限を指定することは大きな反響を呼ぶことは必至です。御多分に漏れず、都心は地価も高く、しかも広範囲に制限がかかることから、区民の関心も非常に高く、オーバーな言い方をすればハチの巣をつついたような騒ぎになっております。 この1月14日から31日まで、原案の説明会が各地域で行われましたが、これまでにない参加人数であり、パブリックコメント制度でも300通を超える意見が寄せられたということです。 これらの意見を集約すると、 1、原案公表から都市計画決定までの期間が短過ぎる。 2、既存建物への対応に説明が不十分。 3、財産権への侵害である。といった点に区民は強い反発を持たれています。確かに建築紛争をなくし地域の住環境保全を図るには、現行の法令による方策としては絶対高さ制限の導入や地区計画があるわけですが、区長みずから発言されているように、周辺住民の財産権の行使と密接な関係があるので、合意形成が前提であると考えます。現在の区民の意見や反応などを見ますと、区民との合意形成が十分に図られているとはとても言えない状況にあります。このまま区が原案どおりに、絶対高さ制限の導入を進めていけば、区民の不安は一層増し、区に対する不信の念がますます強まることも予想されます。事を急ぐ余り、区民に混乱を引き起こすことは絶対に避けなければなりません。ここは、性急に事を運ぶのではなく、区民との合意形成が図られるまで十分に時間をかけて議論をすべきであります。導入の是非について各地域で十分議論をし、地域住民の合意形成を図りながら、各地域の実情を踏まえた意見を原案に反映する機会をぜひ設定すべきであります。それが区長の言う協働と参画の理念にも合うものと考えます。区長の英断を強く期待するものです。 質問の第5は、高齢者の施策についてお伺いします。 本格的な高齢社会の到来を控え、増大する給付費を抑制するためには、介護予防サービスの強化を柱とする介護保険制度改革関連法案を2月8日閣議決定されました。改正によれば、 1、軽度の要介護者を対象に、筋力トレーニングなど新たな予防策を創設する予防重視型への転換。 2、特別養護老人ホームなどの介護施設の居住費、部屋代、光熱費、水道代と食費を原則自己負担とする施設給付の見直し。 3、事業者指定ケアマネジャーの資格に更新制を導入し、サービスの質の向上を目指し、総合的な介護予防システムの確立が強化されました。 そこで、区が取り組まなければならない課題についてお伺いをします。 第1の質問は、新予防給付についてです。 介護の必要度の低い人を対象に導入される新予防給付は、現行段階の要介護度の区分のうち、軽度者の要支援と要介護1の大半が対象ですが、既存の在宅サービス再評価、再構築をするとあります。制度がスタートすれば自分はサービスが受けられなくなるのではないかと、家事援助型サービスを受けているひとり暮らしの高齢者はとても不安に感じています。既にサービス提供者から変更になる話が少しずつ伝わっており、正確な説明がないままずるずると移行されていくことが心配です。移行に当たって、利用者が真に必要としている介護保険のサービスが受けられないのでは、改正の意味がありません。 このような利用者の不安に対して心配要りませんよ、たくさんの受け皿を用意していますと言えるのでしょうか。具体的にお聞かせください。 また、今まで潜在能力があるにもかかわらず優しい手を頼りに生活をしてきた高齢者に、いきなり筋力トレーニングとはならないと思います。意欲があれば苦にならないことも、やる気のない人へのアプローチはとても大変なことであると実感をしています。環境の変化は、高齢者にとって介護度を高くする可能性も含んでいます。介護プログラムへの働きかけはどのように進めていくのかお聞かせください。 また、第四次実施計画及び平成17年度予算では、新たな介護予防の展開として、小滝橋いきがい館の介護予防事業や元気館の新規事業などに取り組むとあります。介護予防を促進する場の提供としてこれで十分でしょうか。 また、介護予防の仕組みについてどのように考えていますか。 第2の質問は、保険料並びに利用者負担の改定です。 今回の改正では、低所得者対策として保険料の段階の見直しも行われました。現行制度では、年金受給者の多くが第2段階に入りますが、受け取る年金には大きな差があります。200万円を超える年金受給者もいれば、国民年金しか受給をしておらず、80万円程度の受給者も同じ区分に入ります。改正では、年金以外に所得がなく年金収入が80万円以下の者を新たに2段階として保険料を軽減できることになります。保険料は、サービス給付見込み量をもとに算定するとはいえ、高齢者が負担できる範囲は限界があり、負担増は極力抑えられるようにすべきであります。幸い、保険料の段階の細分化も区独自で設定できるような法改正がされるとのことから、高齢者の所得や負担できる範囲に応じて、よりきめ細やかに段階設定をすべきと考えます。 また、施設介護者利用者負担についても、保険料同様、激変緩和策で対応したり減額制度の新たな導入など、ぬくもりを感じられるような措置をとられるよう強く要望します。区長の英断に期待をいたします。 第3の質問は、高齢者の社会参加促進への取り組みについてです。 1点目は、区政の基本方針説明の中で区長は、今後3年間で重点的に取り組む課題の1つに高齢者、障害者など、だれもが生き生きと暮らせる地域社会づくりを挙げています。このことはすばらしい視点であり、区民のだれもが望んでいるものではないでしょうか。急テンポに年々上昇する高齢化率から見て、緊要の課題であることは論をまちません。 そこでまず、これまでも区はさまざまな形で高齢者の生きがい、社会参加への誘導策を示してこられたと思いますが、区長が目指す地域社会像のイメージをどう描かれているのかお聞かせください。 2点目は、高齢者の社会参加の促進についてです。 社会参加といっても、多様な価値観と生活様式を持つ高齢者自身がみずから選択し行動に移すべきもので、自主性が尊重されなければなりません。その点を考えると、選択肢の少ないこの指とまれ方式では事業の目的は完遂できないことは自明の理であります。それだけに、高齢者のニーズを徹底的に調査し、万全の周知方法で情報提供を行うことは必須条件であると考えます。短時間でできるものではなく、かなりの準備期間が必要と思います。 また、高齢者が社会参加を考える際推測できる動機としては、社会貢献、生きがい、健康、経済的充足といったもので、それぞれが複合されている場合もありましょう。 そこでお尋ねしますが、社会参加への道筋、準備期間をどのように考えておられるのか、お聞かせください。 3点目は、社会参加を円滑にする環境整備についてであります。 高齢者が社会参加するということは外に出て活動するということで、まちづくりと関係をしますが、道路の整備、バリアフリー化等が必要となってくると思いますが、この点はどのように考えておられるのか、以上3点について区長の御所見をお伺いいたします。 質問の第6は、特別養護老人ホーム及び身体障害者療護施設等の整備計画についてであります。 新宿区では、既に一昨年の段階で1,000人を超える特別養護老人ホームの入所希望者がおり、特別養護老人ホーム整備が喫緊の課題となっています。昨年は市谷砂土原町において特別養護老人ホーム施設建設の計画が中止に追い込まれたわけです。また、身体障害者療護施設は区内に在住する障害者が開設を心待ちにしており、区も第三次実施計画において設置促進をうたっている施設です。 こうした中、新宿区は今般発表した第四次実施計画において、百人町四丁目を候補地とし、平成19年度末までに民設民営方式により、定員10人の身体障害者療護施設を併設をした定員100人の特別養護老人ホームを整備する旨、重点項目として掲げていますが、区長のその意欲、英断に敬意を表します。 新宿区の施設整備の状況及びこれまでの経過にかんがみるならば、今回の計画は非常に重要であり、是が非でも実現をしていただかなければなりません。 そこで区長にお伺いをします。 1点目は、身体障害者療護施設に関してであります。今回の事業の候補地の隣にある百人町三丁目地区では、知的障害者グループホームの整備に当たっては、地域住民の理解を得るために多くの時間を要しました。今回整備を行う身体障害者療護施設は、グループホームと異なる施設であると考えますが、どのように地域住民の理解を得ていくおつもりなのか、お考えをお聞かせください。 2点目は、事業用地に関して伺います。 今回は国有地を活用した事業でありますが、新宿区が所有していない土地を対象として事業を行うのは非常にまれなことであると考えます。そこで、百人町四丁目の国有地を対象として特別養護老人ホーム等の整備を行うことになった経緯についてお聞かせください。 3点目は、事業者選定に関して伺います。 民設民営による施設整備を行う場合には、区民に優良なサービスを提供するためにいかにすぐれた事業者を選定するかが大切になります。特に今回は、特別養護老人ホーム身体障害者療護施設を併設する計画であり、性格の異なる2つの施設の両方を運営することができる法人は多くはないと思われます。 そこで、どのようにして優良な法人を選定していくおつもりなのか御所見をお伺いします。 4点目は、補助金の確保について伺います。 3点目の質問と関連をしますが、すぐれた事業者を選定するためには、国や東京都の補助金をいかに確保するかが重要になりますが、国における地方財政の三位一体改革の影響もあり、補助制度に大きな変化が生じていると聞いております。 そこで、補助金をどのようにして確保していくのか、その見通しについてお伺いをいたします。 質問の第7は、環境施策の充実についてであります。 地球温暖化防止を目指して、先進国の温室効果ガス排出削減の数値目標を定めた京都議定書が、2月16日、採択から7年の時を経てようやく発効に至りました。これによって環境破壊を招く温暖化に対していよいよ法的拘束力をもって取り組む新たな段階に入り、自治体の責務も大きくなろうとしています。昨年、ノーベル平和賞を受賞した環境活動家のワンガリ・マータイ女史の「平和を守るためには環境を守らなければならない」とのメッセージどおり、今、環境問題は世界の最重要課題であります。 新宿区においても、平成6年の新宿区環境都市宣言から10年という節目を迎えました。平成12年12月には、区役所としてISO14001の認証を取得し、平成16年3月には、新宿区環境基本計画も策定するなど、先進的な取り組みを行っていることを改めて高く評価をいたします。 このように、大きな節目であることを前提に3点にわたり質問いたします。 初めに、環境施策の検証について伺います。 環境基本計画には、重点施策の数値目標とともに具体的な事業進行のタイムテーブルが記されております。計画から1年を迎えようとする現在までの総括をすべきであります。 例えば遅れている項目と進んでいる項目の進捗状況を検証し総括した上で、改めて年度ごとの目標を定め公表するなど、環境白書の発行とともに再構築することも必要かと思われます。お考えをお聞かせください。 2点目に、区民意識の覚せいについてであります。 社団法人日本環境教育フォーラム理事長の岡島成行氏が、「自然破壊とは異なり、温暖化は目に見えないからわかりにくく、多くの人は難しいと身構えてしまう。だから、一般の人が興味を持てるように易しく、おもしろく、わかりやすく伝えなければならない。国民一人ひとりが温暖化についての正確な知識を持てば、このままでは危ないと、今の生活を改めるようになる」と言われて、むしろ熱心でない人をどれだけ仲間に巻き込めるかがポイントであります。どんなに立派な施策を講じても、区民が置き去りになっては意味がありません。 そこでお伺いをします。 新宿区が環境都市宣言を行った6月5日は世界環境デーに当たります。さらに環境学習情報センターも、宣言から10年目の同じ日にオープンをしました。例えばこの記念すべき日を毎年、新宿エコライフデーとして区民や企業に働きかけ、まずは1日だけ身近な問題から取り組み、それらを総合してどれだけの効果が得られたかを示すことにより、子どもから大人まで環境に対する意識の啓発ができます。このように区が1つになって取り組める環境意識を覚せいさせるような何らかの事業を展開すべきであります。これまでも手を打たれてきたとは思いますが、今後、環境学習情報センターや地区協議会との連携など、一区民への環境問題の意識高揚をどう図るおつもりなのか、お考えをお聞かせください。 3点目は、環境に関するホームページの立ち上げについてであります。 現在は、環境土木部のページからさらに環境保全課や資源対策室なども開かなければなりませんので、意識のある人しかわかりません。一人でも多くの方に環境に関する意識を持っていただくためには、新宿区のトップページを開いたとき、思わず開きたくなるようなリンクをつくり、そこから入れば環境にかかわることのすべてがわかるような仕組みが必要です。情報収集や提供システムの整備を一本化して環境白書の報告なども網羅すれば、そのまま学習にも利用できます。区長の環境施策に対する御決意とともに、お考えをお聞かせください。 質問の第8は、発達障害児への支援促進についてお尋ねをいたします。 近年、増加傾向にある自閉症児、学習障害(LD)児や注意欠陥・多動性障害(ADHD)児など、これらの発達障害に対しきめ細やかな対応や施策が求められています。発達障害はIQが高く、記憶力など大変にすぐれた能力を持っている反面、想像力、予測能力がとても弱く、想定どおりにいかないとパニック状態になり、社会生活が上手にできない。また一般的な理解は低く、虐待や不登校などの深刻な二次障害も指摘をされています。こうした児童が特殊学級ではなく普通学級に在籍をし、その数は文部科学省の調査によると、児童生徒数の6.3%に上ると言われています。 このような状況の中、昨年12月、我が党を中心に超党派議員連盟の推進により、発達障害者支援法が制定をされ、本年4月より施行されます。この支援法の成立により、これまで法律の谷間にあった人たちへの支援が大きく前進することが期待をされています。 また、この支援法に先立ち、東京都は昨年11月に、従来の特殊教育の対象の障害だけではなく、発達障害を含めた児童・生徒の自立や社会参加に向けて、生活や学習上の困難を改善または克服するため、特別支援教育推進計画を策定しました。このモデル事業として、4区市の北区、調布市、あきる野市、八王子市で平成16年度から平成18年度まで実施をされる計画であります。 そこでお伺いをいたします。 質問の第1点目は、この発達障害に関して区長はどのような認識をお持ちか、お考えをお聞かせください。 質問の2点目は、新宿区は第四次実施計画や次世代育成支援計画の中で、発達の不安のある子どもを対象とし、発達のおくれや障害を早期に発見し、必要な支援を速やかに行えるよう関係機関と連携しながら、サービスの提供や調整を総合的に行う子ども発達センターの設置を、あゆみの家の児童部門から独立をして平成17年度より開始するとのことですが、まずその英断に敬意を表したいと思います。 発達障害と認定をされた児童数は全体から見て少数かもしれませんが、その数は氷山の一角で、発達に不安のあるお子さんをお持ちの保護者の皆様方は、潜在的にはかなりの数に上るものと推測をします。つまり、我が子の悩みをどこに、どのように相談したらよいのかわからないと常に不安を感じ、悩みながら子育てに取り組んでいるのが実態だと思います。相談に来られ、発達障害児と認定されたとしても、この先子どもが必要な支援を受け、障害を乗り越えて社会に巣立っていける可能性が見出されれば、子育てへの喜び、意欲が倍増すると考えます。早期発見、早期支援によって、自立と社会参加への道が開かれるかどうかが決まる、いわば1人の人間の人生を左右する第一歩がこのセンターの存在意義であろうと思います。区も、当然そのことを強く認識をされた上で今回の設置に踏み切ったものと考えますが、このセンターの将来像をどのように区長はお考えなのか、御所見を伺います。 3点目は、教育委員会にお尋ねします。 第四次実施計画の中で心身障害教育の充実として、それぞれの障害及び教育ニーズに応じた適切な教育環境を整備し、心身障害教育の充実を図るとあります。その一環として、情緒障害学級を現在の戸塚第二小学校1校からさらに天神小学校へと、17年度より増設の計画であります。このことも、発達障害児をお持ちの保護者の皆様にとっては大変な朗報であります。今後の情緒障害学級と特別支援教育のあり方をどのようにお考えか、御所見をお聞かせください。 いずれにしても、発達障害児は大きな可能性を秘めていると言われています。障害のある幼児・児童・生徒の将来の夢をはぐくみ、その実現に向けて最大限の努力を重ねていくことを強く要望いたします。 質問の第9は、新宿区の教育行政についてお伺いをいたします。 初めに、去る14日、大阪寝屋川市で起きた17歳少年による教師殺傷事件は余りにも痛ましく、再びこうした事件が起こらないよう私どもは学校の安全に全力で取り組むことを深く決意するとともに、亡くなられた先生とけがをされた方に心よりお見舞いと哀悼の意を表するものであります。 さて、新宿区は、新たな区政の方向を示す第四次実施計画の重要4課題の第1番目に「新しい時代を担う子どもの育成」を挙げられました。まさに子どもは社会の宝、子どもは未来からの使者とも言われ、子どもの輝く瞳に、そしてすくすくと育ちゆく彼らの成長に、新たな社会構築のすべてがかかっていると言っても過言ではありません。 人づくりは国づくりとも言われるように、教育は大変重要な事業であると考えます。しかしながら、子どもの置かれている環境は、現在大変厳しい状況にあると言わざるを得ません。不登校は2年連続減少したとはいえ、平成15年度の小・中学生の不登校児童・生徒数は12万6,000人で、中学生では36人に1人が不登校という状況です。後を絶たないいじめ問題、薬物汚染の低年齢化、そして非行、学級崩壊等々。 新宿区も決して例外ではありません。昨年6月22日の幼児突き落とし事件は、我々にとって忘れることのできない大きな警鐘となりました。一つ間違えば取り返しのつかない悲劇となっていたことでしょう。加害者の少女は不登校であり、帰国子女でありました。私は、12歳の中学1年生が5歳の幼子を相手に口げんかをしたというそのことに、加害少女の大変寂しい日常を感じました。本来なら同じ年齢の友達が欲しいときです。それでも、自然の豊かな地域であれば昆虫や草花に興味を持つとか、あるいは遠くの海を眺めるとかいった楽しさもあったのかもしれません。現状の新宿区が、子どもにとって育ちやすい環境であるのかどうか、子どもの教育という視点で新宿区の教育環境を見直してみる必要があると考えます。 そこで、まずこうした多くの課題が山積する中、満を持して新宿区の教育長に就任をされた金子教育長、私どもも教育にかける教育長の情熱に大いに期待をするところでありますが、その御決意並びに抱負をお聞かせください。 2点目の質問ですが、教師こそ最大の教育環境であるとよく言われますが、そのとおりでありましょう。先人の伝記にも、先生との出会いによって今があるとはよく語られるところであります。野口英世しかり、ヘレン・ケラーしかりであります。今、国においても教育現場でも教師の質を問う声が高まっており、校長の裁量権の拡大もこうした中、起こってまいりました。校長のやる気や気力は、教員の校内研修にもさらには地域の教育力の結集にも大きな役割を担っております。 もう退職をされた校長先生ですが、毎日現場の先生の教育日誌に目を通しては、赤ペンでアドバイスや励ましを送り続けていらっしゃいました。校長の毎日の励ましがどれほど新任の先生の自信につながったり、クラス担任への応援となったことか、リーダーである校長の資質は学校運営に大きく影響します。その意味から、現在も年3回程度、校長研修を開催していることは承知をしておりますが、専門家を招いてのさらに充実をした校長のリーダー研修の充実をすべきと考えますが、いかがでしょうか。 3点目は、スクールスタッフ新宿についてお伺いをします。 さまざまな地域力を新宿の子どもたちの教育のために取り入れていく、応援していただくということは、大変すばらしいお考えだと思います。この事業をさらに充実させるために、3点ほどお尋ねをします。 1、制度の成否は、その目的、趣旨の明確化が大事であることは言うまでもありませんが、このスクールスタッフはどういうねらいがあるのか、これまでの登録制度とどう違うのか、お聞かせをください。 2、スクールスタッフ事業は、はっきりとした事業規模があってスタッフを募集するのか、あるいは応募状況を見て事業規模を決定されるのかをお伺いします。 3、それによって周知方法にも違いがあると思いますが、どう周知をされる予定なのか、人材の結集方法をお聞きします。 4点目ですが、環境教育についてお伺いをします。 さて新宿区は、全区立幼稚園、小・中学校に空調が設置をされ新宿の子どもたちは快適な環境教育に甘んじられるようになりました。しかし、未来を担いゆく彼らは、一握りの恵まれた国民の一人として生きるのみではなく、持続可能な地球資源に責任を持つ人材の卵でもあります。期せずして今月16日に京都議定書が公布となりました。これからは、国家として社会として地域として、さらには個人として環境問題に取り組まなければなりません。新宿区の子どもたちも快適な空調設備に身をゆだねるからには、それをも凌駕する環境教育を真剣に学習しなければなりません。 そこでお伺いをしますが、 1、各学校に任せるのではなく、教育委員会として思い切った環境教育プログラムの策定を検討できないでしょうか。 2、環境省が平成17年度事業として学校における環境に配慮した施設設備・改修及び住民・生徒への環境教育の推進として、  1、学校等エコ改修・環境教育モデル事業  2、学校への燃料電池導入事業  3、地球温暖化問題に関する児童・生徒への効果的な環境教育実施事業 さらには、家庭等における子どもから高齢者までの全員参加のエコファミリークラブへの支援等々推進事業を展開することになっていますが、ぜひとも教育委員会も意欲的にこれらモデル事業に手を挙げるよう強く要望いたします。 以上、4点について教育委員会の御見解をお伺いいたします。 最後の質問は、学校の防犯力の強化についてです。 大阪寝屋川市の小学校で、刃物を持った少年に教職員3名が殺傷されるという痛ましい事件が発生しました。2001年6月の大阪教育大附属池田小学校での殺傷事件を初め、2003年12月には京都府宇治市の小学校での殺傷事件が起きるなど、学校への不審者侵入事件が相次いでいます。警察庁の調べによると、学校などで発生した凶悪犯はこの7年間で倍増、学校外でも路上や公園で、子どもが突然殴られたり切りつけられたりするなどの被害も目立ちます。特に凶悪犯罪の被害件数がふえており、20歳未満の少年に対する殺人、略取誘拐、傷害などの凶悪犯罪がこの10年でほぼ倍増しております。子どもたちが学習する場である学校も決して安全な場所ではなくなっており、学校の危機管理対策の強化が今こそ求められているときはありません。 区長は、区政の基本方針の中で新宿区民の安全・安心の推進に関する条例に基づき、だれもが安全で安心して暮らすことのできるまちづくりを、粘り強く地域の皆様と一緒に進めていくと述べられています。今、区民が強く求めている安全・安心のまちづくりを学校の防犯力の強化という視点から3点お尋ねをいたします。 1点目は、今回の大阪府寝屋川市の小学校での事件を契機に、門扉のオートロック化や、防犯カメラを初め学校の施設面での安全性や不審者侵入対応の見直しなど、ハードとソフトの両面から再点検、総点検し、必要な対策を早急に講ずべきと考えます。 2点目は、スクールガード、学校安全警備員の配置についてです。 寝屋川の事件では、 1、防犯カメラを設置していたのに、だれも監視していなかった。 2、マニュアルが事後対応を中心とした古い旧版だった。 3、門が施錠されていないすきをついての侵入だった。 ことなどが指摘をされています。過去の事件でも同様の事実が指摘をされており、防犯の基本を実行することができない現場の実情を考えざるを得ません。文部科学省の方針では、これまで教職員の防災意識を高めることが対策の中心でしたが、教職員の四六時中監視の目を光らせることは、事実上困難です。 また新宿区においては、小学校教員の男女比率は1対2で、3分の2が女性です。いざ暴漢が侵入した場合、防犯意識だけではどうにもならないケースも考えられます。平成17年度の政府予算案には、我が党の強い主張を受け、子どもの安全確保を強化することが盛り込まれており、防犯の専門家や警察官OB等の協力のもと、地域学校安全指導員(スクールガード・リーダー)を配置し、各リーダーが担当する地域内の小学校を定期的に巡回をし、警備ポイントの点検やスクールガードを育成、指導することなどを柱とする地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業が計画をされていますが、喫緊の対応として区内のすべての小学校に区独自の予算でスクールガード(学校安全警備員)を配置すべきと考えますが、いかがでしょうか。 警備会社に学校警備を依頼する区や、区内警察署に学校内パトロールを依頼する区など、昼間の有人警備に積極的な対応をしている区もあります。新宿区としても思い切った危機管理策を打ち出すべきと考えますが、区長並びに教育委員会の前向きの答弁をお聞かせください。 3点目は、子どもへの犯罪を防止するためには、学校や住宅、町並みを犯罪が起こりにくい設計に改善するとともに、不審者を常にチェックする監視の目を強化するため、これまで以上に総合的に学校、PTA、町会、地域、警察、消防等の機関が連携をし、子どもの安全を守るために実効ある施策を進めていく必要があります。子どもを守るという視点から、地域の防犯力を向上させていくことは、子どもだけでなく女性、高齢者も含めたすべての人が安心できる地域を確立することになります。地域社会と子どもたちの結びつきを深め、地域の防犯力を高める対応をどう構築していくのか、以上3点について区長並びに教育委員会の御所見をお伺いいたします。 我が国の安全神話が崩壊したと言われる中で、子どもたちが安心して学ぶことのできる学校安全対策を区の総力を挙げて取り組むよう強く要望いたしまして、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ◎区長(中山弘子) そめたに議員の御質問にお答えします。 最初に、新たな新宿像についてどう考え、行政を進めようとしているかとのお尋ねです。 私は、このたび策定した第四次実施計画でお示ししたとおり、区民、地域団体、NPO、企業など、多様な主体との協働と参画によるまちづくりにより、新たな都市型コミュニティの構築を目指すことが新たな新宿像を形づくる上で重要なことであると考えています。今後、区民との協働と参画により、基本構想の見直しや新基本計画の策定を進めていく中で、新たな新宿像について多くの区民の皆様にご議論いただき、具体的なものとしていきたいと考えています。 こうしていただいた区民の皆様の御意見や考え方を最大限に尊重するとともに、議会の皆様の御意見を踏まえ、私は、区として最終的な考え方を取りまとめていきたいと考えております。 次に、(仮称)新宿区民会議の設置についてのお尋ねです。 (仮称)新宿区民会議は、多くの公募区民で構成する予定です。このような会議体の設置は区としても初めての試みですが、基本構想の見直しと新基本計画の策定に当たって、幅広い年齢層のさまざまな立場や職業の方に参加していただくとともに、これまで余り区政に関心をお持ちでなかった新しい層の方にも参加していただける環境をつくってまいります。 また、(仮称)新宿区民会議委員の公募に当たって、多くの方が関心を持っていただけるように、シンポジウムや地区ごとの説明会などを行うとともに、区役所全庁を挙げて各部の持つネットワークや情報力を駆使し、参加いただける区民の方に的確に情報が届くように取り組んでまいります。 次に、(仮称)新宿区民会議地区協議会との関係についてのお尋ねです。 地区協議会は、地域における区民参画の場や課題解決の場として特別出張所の地区ごとに設置する常設の機関です。一方、(仮称)新宿区民会議は、基本構想の見直しと新基本計画の策定に関し、区長に提言書を提出した段階で一定の役割を終えるもので、この点が地区協議会と大きく異なる点です。 また、地区協議会には、10地区それぞれの地域特性やまちの将来像を示す地区ビジョンの提案を依頼する予定です。地区ごとに提案されるこの地区ビジョンは、新しい基本計画に盛り込むこととしています。 さらに、基本計画等を策定する場合には、計画案の段階から地区協議会に諮り、地区協議会と意見交換等を行うこととしています。このため、(仮称)新宿区民会議においても、一定の段階では基本構想の見直し等について地区協議会と積極的に意見交換等を行う予定です。 次に、基本構想の見直し等に際しての議会との関係についてのお尋ねです。 今回、基本構想の見直しと新基本計画の策定に当たりましては、計画づくりの初期段階から多くの区民等の参加を求めるため、(仮称)新宿区民会議を立ち上げ、計画の原案づくりを行ってまいります。 一方、現在の地方自治制度のもとでは、住民の意思は選挙によって選出された議会や長を通して最終的には行政に反映されることとなっています。そのため、基本構想の見直しと新基本計画の策定に際しては、区民の意を受けた議決機関と執行機関がともに区民の代表としてそれぞれの役割と責任を果たす中で最終的に決定していくものと考えています。 次に、(仮称)新宿区民会議と議会との関係についてです。 (仮称)新宿区民会議は、基本構想等に盛り込むための原案づくりをしていただく場と考えているところですが、議会の皆様には、(仮称)新宿区民会議からいただいた提言について、議会の立場から御意見をいただくとともに、基本構想や新基本計画を最終的に策定するに当たって、区政全体を見据えた観点から審議していただきたいと考えております。 次に、区財政の運営についてのお尋ねです。 平成17年度予算の特徴の一つとして、投資的経費と扶助費が大きく伸びていることが挙げられます。そして、この傾向は平成19年度に向かってさらに拡大するものと見込まれます。 一方、17年度においては、景気の回復傾向を受け、区税等の一般財源の増収が見込まれる状況となりました。しかしながら、昨年の11月ごろより景気回復の減速が懸念される状況となり、先行きに明るい展望を持つことは難しくなりつつあります。 このような現状認識のもと、平成17年度予算では投資的経費の財源として起債と基金の積極的な活用を図るとともに、平成16年度の最終補正予算においては、税収増や予算執行過程で生じた財源を基金の繰り戻し及び積み立てに充当し、平成15年度に引き続き基金の残高確保を図っています。 また、第四次実施計画期間においても、起債の活用に加え、増加傾向にある施設の改築や改修需要への対応などを視野に入れ、各年度の決算剰余金の一部や区民保養所の賃貸借補償金収入相当額などを基金への積立財源とするとともに、区税及び国民健康保険料等の収納率向上や事務事業の見直しなど行財政改革を着実に進め、限られた財源の効果的、効率的な配分による安定した財政運営を目指すこととしています。 次に、三位一体改革についてのお尋ねです。 昨年11月政府・与党は、平成17年度及び平成18年度の2カ年で2兆8,000億円の国庫補助負担金の廃止、縮減等と2兆4,000億円の国から地方への税源移譲について合意しました。 このうち平成17年度では、1兆8,000億円の国庫補助負担金の廃止、縮減等と所得譲与税等による1兆1,000億円の財源措置が図られることとされました。 本区への影響は、平成17年度実施分として新たに養護老人ホームの入所等措置や区営住宅等の管理運営などに係る国・都支出金の減が想定されるところですが、実施内容の詳細が明らかでないことから、平成17年度当初予算ではその影響を見込んでいません。 また平成18年度以降の影響については、生活保護費負担金と児童扶養手当の補助率見直しなどについて平成17年中の検討となったことや、所得税から個人住民税への税源移譲についてもその具体的な内容が明らかでないため、現時点では推しはかることができません。 したがって、国庫補助負担金の廃止、縮減や税源移譲などについて、地方の意見が反映された改革内容となるように、特別区長会、全国市長会など地方団体が一致協力して継続的に国へ働きかけていくことが重要と考えます。 次に、自主財源確保に向けた特別区民税の滞納繰越分の確保対策に関するお尋ねです。 平成16年度におきましては、毎年策定する納税推進計画に基づき、滞納事案に対する迅速な財産調査や積極的な差押え処分と換価の促進など、対策を重点化し取り組んでまいりました。平成17年度につきましても、高額滞納者に対する個別整理の強化など重点方針を明確化し、目標達成に向けた進行管理の徹底を図ることで、滞納繰越分の税収確保を図っていきます。 また、平成17年度には滞納整理支援システムが本格稼働します。滞納情報の共有化による組織的な対応や事務の効率化による滞納者との折衝機会の確保など、従来にも増して機動的な滞納整理が可能となることから、その機能を最大限活用した取り組みを行ってまいります。 その他、コンビニエンスストア収納実現に向けた準備を進めるとともに、休日納税相談の拡充や徴収困難事案に関する東京都との連携、協力など、可能な限りの対策を実施して、基幹的な歳入である区税収入の確保を図ってまいります。 次に、都区財政調整制度における主要5課題への取り組みについてのお尋ねです。 都区財政調整制度に係る主要5課題の検討は、各検討会ともこれまで具体的な部分に関しての進展が見られていないことは御指摘のとおりです。 最大の課題である、都が23区の区域を通じて一体的に処理すべき市町村事務、いわゆる大都市事務についても、1月の第7回大都市事務検討会でようやく都より事業提示がされたところですが、これには政令指定都市の事務や、明らかに府県事務と考えられるもののほか、今後調査、検討や考え方の整理が必要と考えられるものが含まれています。 そして、区側は、同月末に開催された第8回検討会で、これまで主張している大都市事務についての基本的な考え方を改めて述べるとともに、都案の問題点を指摘しています。 今後区側としては、提示された全事業についての分析を加え、内容を精査していく予定ですが、他の2つの検討会においても都区の考え方に依然隔たりがあり、検討の進捗が危惧される状況となっています。特別区長会は昨年の7月に、都知事への申し入れや都議会各会派への要請を行うとともに、区長会と特別区議会議長会が連携した取り組みを進め、協議の進展に向けた都側の対応改善を求めてきたところです。加えて、平成17年度の都区財政調整協議及び1月14日の東京都予算に関する緊急要望などの機会をとらえ、早期解決に向けた前向きかつ精力的な協議を都に申し入れており、2月10日の都区協議会では、都側から「前向きに大いに議論していきたい」との回答を得ています。また、平成17年度の早い段階で都区財政調整協議会を開き、平成16年度の検討状況を総括した上で協議の進め方についての検討を加えることも予定されています。 残された検討期間があと1年を切る中で、厳しい日程とはなっていますが、協議の前進に向け今後とも精力的に取り組んでまいります。 次に、高度地区変更原案についてのお尋ねです。 この高度地区変更原案は、土地の有効高度利用が街並みや景観と調和した形で図られるようにと考え、建築物の絶対高さ制限を定めるために作成したものです。この絶対高さ制限が想定している市街地は、中小規模の建築敷地が連担する市街地です。昨今、建築規制の緩和が進み、比較的狭い道路や小さな敷地においても高層の建築物が建築可能となってきました。 区としては、このような地域の環境を安定したものとするため、地域になじまない余りにも高層な建築物に対して一定の規制をかけようとするものです。この原案については、説明会を初め、パブリックコメント制度により、区民の方々から賛否を含め多くの御意見をいただきました。その中でも、区民の方々が御心配されている既存不適格となる建築物については、既に環境を形成しているという実態もあり、財産の保護という観点も重要でありますので、区としては、改築の際には現状の高さを容認する考え方を持っております。 また、都市計画決定のスケジュールについて、原案の公表から決定までの期間が短いとの御意見もございました。区としては、区民の皆様のこうした御意見を踏まえ、さらに理解を深めていくため、当初のスケジュールにこだわらず時間をかけて十分な説明を行ってまいります。 私は、区民の皆様の理解を得て絶対高さ制限を定めることで、区民の皆様が安心して住み続けていただくことができると考えております。     〔「よし、頑張れ」と呼ぶ者あり〕 次に、高齢者の施策についてのお尋ねです。 最初に、新予防給付についてお答えします。 御指摘のホームヘルプサービスは、在宅生活を支えるかなめと言われていますが、単なる家事代行のような安易なサービス利用を見直すということであり、家事援助型サービスが一律に使えなくなるわけではありません。また新予防給付は、既存サービスに介護予防の視点を加味し、筋力向上トレーニング、口腔ケア、低栄養指導などの新たなサービスを加えたものとなります。 新予防給付が導入される目的は、要介護度が悪化しないよう、本人の意欲を引き出し、自立支援に資するサービスを目指して、現行のサービスの内容や提供方法等を見直すためですので、利用者の皆様にこの趣旨を十分に御理解いただきながら進めてまいります。 次に、高齢者の介護プログラムへの働きかけについてお答えします。 筋力トレーニングを初め新予防給付は、御指摘のとおり本人が意欲を持って一定期間継続的に行うことで効果が見込まれるものです。意欲のない方へ無理にサービスを提供することはありませんが、そのような方でも意欲を持っていただけるような働きかけは重要と考えています。 そこで、利用者の体力に合わせた無理のないプログラムの作成、本人の可能性や到達点の明示、改善事例の提示などさまざまな働きかけにより、利用者の意欲を引き出す工夫が必要であると考えています。 また、介護予防マネジメントの中で十分なアセスメントを行い、本人の同意に基づいて介護予防プランを作成していきますので、環境の変化により介護度の悪化が生じないように配慮されていくものと考えています。 次に、介護予防事業の展開についてお答えします。 介護予防事業の一つとして、平成16年度から清風園で筋力向上トレーニング教室を試行しています。さらに平成17年度は、小滝橋いきがい館で栄養改善等4種類の介護予防教室を、元気館では3コースの介護予防事業をそれぞれ開始します。平成18年度からは、これらのモデル事業の実施を踏まえ、拠点の拡大に取り組んでまいります。 次に、介護予防の仕組みについてですが、介護予防の効果が期待できる虚弱高齢者を対象に、その方の状態に合ったサービスにつなげていくことが重要と考えます。今年度から実施している介護予防プラン作成や、平成17年度に実施する「おたっしゃ健診」の2つの方法により、個別・集団のアプローチをしていきます。さらに平成18年度以降は、介護保険制度の見直しに合わせた仕組みづくりに取り組んでまいります。 次に、保険料の改定及び利用者負担の軽減についてのお尋ねです。 新たな保険料の段階の設定については、御指摘の介護保険法及び税法改正の内容等を踏まえ、高齢者の所得状況等のサンプル調査を参考に検討しているところです。 今後、高齢者の所得実態を把握し、サービス量、所得に応じた公平性、妥当性などを考慮して、新宿区としての保険料段階を設定していきます。 次に、施設介護利用者の利用料負担についてです。 施設利用の居宅費用と食費負担については、在宅サービス利用者との公平性の観点から導入されましたが、低所得者に対して十分配慮されたものとなっています。 具体的には、第1に、保険料の第1段階から新第3段階については、負担軽減を図る観点から、居住費用と食費について新たな補足的給付制度が設けられることになります。 第2に、新第2段階の方の高額サービス費の上限が、現行の2万4,600円から1万5,000円に引き下げられる予定です。 第3に、旧措置入所者の経過措置の今後5年間の延長が行われます。 第4に、社会福祉法人による利用者負担の減免の運用改善が図られる予定です。 以上のような低所得者対策が予定されているところですが、十分に実態を把握した上で対策が必要と考えられる場合には、次期介護保険事業計画の中で検討してまいります。 次に、高齢者の社会参加促進への取り組みについてのお尋ねです。 まず、今後目指す地域社会像についてです。 2年後には新宿区の高齢者比率が20%を超え、7年後には団塊世代も高齢者への仲間入りが始まります。高齢化の進展は、要介護者の増加など負のイメージでとらえられがちです。しかしながら、私は逆に、高齢者を地域の活力源としてとらえ、希薄化していると言われる都市のコミュニティを再構築する好機としていくべきだと考えています。 なぜなら、豊かな経験、知識や時間を有する高齢者がその能力を生かし、地域社会の必要に応じてボランティアやNPO、新たなビジネスなど、さまざまな活動に参加することになれば、地域社会にとって大きな力となるからです。特に高齢者が世代を超えた地域活動をしていくことは、若い世代に地域社会とのかかわり方を伝えることにもなります。 私は、このような高齢者もだれもがもっと豊かに柔軟に生き生きと暮らせる地域社会を思い描いています。 次に、高齢者の社会参加への道筋、準備期間をどのように考えているかとのお尋ねです。 今後も社会の活力を維持していくには、豊かな知識と経験と多様な価値観を持つ高齢者が、地域の中で持てる能力を発揮できる社会にしていくことが必要です。そのためには、高齢者が社会参加しやすい仕組みと多様性を確保していくことが不可欠です。 そこで、高齢者に社会参加活動のきっかけとしていただけるように、子育てや障害者などへのボランティア活動を支援するシニア活動事業助成制度を創設します。 加えて、団塊の世代を中心とした方々を対象に、社会参加への意識調査を実施するとともに、学識経験者、高齢者、団塊の世代、ボランティア団体関係者等からなる(仮称)高齢者社会参加システム協議会を設置して、高齢者のだれもが参加しやすい仕組みを検討します。その上で、平成19年度にはモデル事業を実施したいと考えています。 次に、高齢者の社会参加を円滑にする環境整備についてのお尋ねです。 御指摘のように、高齢者の社会参加を推進するためには、道路や鉄道等のバリアフリー化が必要です。これまでにも歩道の拡幅や段差の解消などを進め、高齢者が活動しやすい環境整備に努めてきました。 こうした取り組みをさらに効果的にするため、人が多く集まる鉄道駅を中心とした地域に重点を置いて、区では、今年度中に新宿区交通バリアフリー基本構想を策定します。 今後、この基本構想に沿ってより一層のバリアフリー化が実現されるよう積極的に取り組んでまいります。 次に、特別養護老人ホーム及び身体障害者療護施設等の整備計画についてのお尋ねです。 まず、身体障害者療護施設についてどのように地域住民の理解を得ていくかについてです。 身体障害者療護施設の建設は、新宿区に在住する身体障害者の方の長年の悲願とも言えるものであり、地域の方々の御理解を得て、何としても実現したいものと考えています。 今回の計画につきましては、去る2月17日に西戸山小学校において説明会を開催し、また戸塚地区と淀橋東部地区の民生委員協議会や周辺町会の会長さんなどにも御説明をさせていただきました。いずれの場でも、今回の整備計画について御賛同いただけたものと認識しております。 今後も、節目ごとに説明会を行い、地域の方々の御理解を得るよう努めてまいります。 次に、百人町四丁目の国有地を対象として整備を行うこととなった経緯に関するお尋ねです。 特別養護老人ホームについては、多数の入所希望者がいることから、介護保険事業計画に目標を掲げその整備を強力に推進してきたところです。 御存じのとおり、準備を進めてまいりました市谷砂土原町における特別養護老人ホーム整備に対する支援が昨年5月、中止のやむなきに至りました。これを受け、計画に掲げた平成19年度中の整備に向け、区有地の活用を含む他の適地の調査、百人町で整備が行われている都営住宅への併設可能性の打診等を行ってまいりました。 こうした中、都営住宅への併設は困難である一方で、都営住宅整備に伴って未利用の国有地が発生する可能性があることが判明しました。そこで、国や東京都の意向の確認を行い、その活用について両者の理解が得られたことを踏まえ、本件国有地を候補地として特別養護老人ホーム等の整備を行うことになったものです。 次に、優良な事業者を選定する方法についてのお尋ねです。 施設整備にあたり、民設民営事業の場合、優良なサービスを提供する事業者を選定することは極めて重要です。特に特別養護老人ホーム等の入所者は、他の施設に移ることが容易でなく、優良な事業者選定の持つ意味は大変重いものと考えております。 また、御指摘のとおり、高齢者と障害者の両方に対するサービスを行っている社会福祉法人は多くありません。区としては、幅広く応募を募り、企画書においてケアに関する提案を求めるとともに、外部委員を入れた審査会による審査を行うことにより、優良なサービス提供事業者を選定してまいります。 次に、百人町四丁目国有地を活用した特別養護老人ホーム等の整備に係る補助金の確保に関するお尋ねです。 社会福祉法人は、一般的に資金に余裕がなく、優良なサービスを提供する法人を確保するためにも適正な補助金が必要であり、国や東京都の補助金を確保することが極めて重要であると考えております。 今回の特別養護老人ホーム身体障害者療護施設の整備に当たっても事情は同じです。特別養護老人ホーム施設整備に対する国庫補助制度は、平成17年度から都道府県に対する交付金制度となり、東京都の裁量が広くなるなどの変更が予想されています。一方、身体障害者療護施設に対する補助制度の変更は、現在のところ行われない予定です。 区としては、それぞれの補助制度に対応するべく事業者選定を行い、東京都に対し本事業の必要性と補助金の役割の重要性を訴え、その確保に全力を尽くしてまいります。 次に、環境施策の充実についてお答えいたします。 初めに、環境施策の検証についてですが、環境基本計画の進捗状況を明らかにするため、平成16年度版環境白書の発行を3月に予定しています。環境白書では、各施策の目標が現在どこまで達成できたかの検証を行っています。平成17年度から、「白書を読む会」を通じて区民や事業者、学校等とも情報の共有と意見交換を行い、検証と不断の見直しに努めていきたいと考えています。 次に、区民の環境問題への意識高揚をどう図るかについてお答えします。 御指摘のとおり、環境の問題は、だれにもわかりやすい形での普及啓発が重要です。特に環境都市宣言を行い、環境学習情報センターの開設記念日でもある6月5日に、区民や企業、NPOなどを巻き込んだ総合的な啓発事業を展開することは大変意義のあることであると思います。そのため、本年はセンター開設1周年を記念してのイベントを予定しています。 こうしたイベントを毎年継続的に実施することにより、区民の環境問題への意識を高めることができるよう、環境学習情報センターを核として地区協議会との連携も図りつつ、啓発のすそ野を広げてまいります。 次に、環境に関するホームページの改善についてお答えします。 御指摘のとおり、区のホームページは各部から各課のページにつながる構成になっているため、環境土木部から環境保全課にたどり着くまでがわかりにくいのも事実です。 そこで御提案のとおり、区のトップページに入り口をつくり、直接環境のページにたどり着く構成にするとともに、環境に関する情報提供の整備充実を図ります。 こうした情報の提供に始まり、区民の皆さんや企業、団体との連携と協働を進め、環境都市新宿の実現を目指してまいります。 次に、発達障害児への支援促進についてのお尋ねです。 まず発達障害に対する認識ですが、自閉症や学習障害、注意欠陥・多動性障害等の発達障害は、対人関係や行動面、学習面で社会的に不適応を起こす障害であり、これまで法律上の明確な規定がなく、社会的な認識も不十分であったと思っています。 この4月から、発達障害者支援法が施行となりますが、発達障害児を早期に発見し発達支援を行っていくことが重要であると考えています。このために、新たに設置する子ども発達センターを初め、保健センターや教育機関など、関係機関が連携を強化して、区における発達障害児への支援に努めていきたいと考えています。 次に、子ども発達センターの将来像についてお答えします。 御指摘のように、発達に不安のあるお子さんをお持ちの方は、その悩みをどこにどのように相談したらよいのかわからないと、不安を感じながら子育てしているのが実態だと思います。そのため、子どもの心身の発達に関して気軽に相談できる環境を整備する必要があると考えています。また、相談に応じる職員体制の強化や職員の資質の向上も必要です。その上で必要な支援を行い、自立と社会参加への道を開くことが重要だと考えています。 子ども発達センターとしては、さまざまな相談に対して早期に適切な支援が行われるよう、心理職の増員などにより体制を強化し、発達相談やデイサービスを充実させてまいります。 さらに、保健センターや子ども家庭支援センター等が構成員となった発達支援関係機関連絡会を通じて関係機関との連携を強化しながら、障害幼児や発達に不安のある子どもを必要な支援につなげるなど、区における発達支援の中心的役割を発揮していきたいと考えています。 最後に、学校の防犯力の強化についてのお尋ねです。 大阪府寝屋川市の小学校において、不幸にも事件に遭われ、とうとい命を失われた教諭の御冥福と負傷されたお二人の回復を心からお祈りいたします。 この事件を含め、相次ぐ学校での事件や学校外での凶悪犯罪による子どもの被害の発生は、学校や地域での子どもの安全確保について区民に大きな不安を抱かせています。 これに対して区としてどのように対応するか、具体的な内容は教育委員会から答弁いたしますので、私からは総括的な答弁をさせていただきます。 私は、学校の防犯力を高めていくには、御指摘のように一定の設備の整備や不審者への対応方法の見直しなどが必要であると考えています。あわせて何よりも重要なのは、学校では学校関係者が、地域では地域の皆さんが、自分たちの学校の安全、自分たちのまちの安全は自分たちで守るという意識を持って行動することだと思っています。新宿区民の安全・安心の推進に関する条例も、そのような考え方を基本に制定したものですので、これからもその趣旨を強く訴えてまいります。 そして、学校や地域が主体となって行うさまざまな安全活動に対し、警察等とさらに連携を強めつつ積極的に支援し、学校や地域の安全確保に努めてまいります。 以上で私の答弁を終わります。 ◎教育長(金子良江) 教育委員会への御質問にお答えいたします。 まず、今後の情緒障害学級と特別支援教育のあり方についてお答えします。 情緒障害学級は、これまでは自閉症などの児童・生徒を対象としてきましたが、通常学級に在籍し、知的なおくれはないが生活や学習上の困難を来しているLD、ADHDなどの発達障害の児童・生徒にとっても必要な学級になっていると考えます。 今、特殊教育は、従来の障害の対象だけでなくLD、ADHDなどの発達障害も含めて障害のある児童・生徒一人ひとりの教育的ニーズを把握して必要な支援を行う特別支援教育への移行が進められております。 教育委員会といたしましては、学校現場における発達障害児の実態把握をもとに、教員の理解、指導のための研修や情緒障害学級増設など、これまでも支援を行ってまいりました。 今後の情緒障害学級のあり方については、現在審議中の中央教育審議会の答申や法改正などの動向を見ながら、発達障害児の教育的ニーズに的確に対応できるよう検討してまいります。 また、学校の全教員が発達障害児への望ましい対応を理解できるよう、研修の充実も含め、校内支援体制の構築を推進してまいります。 さらに、子ども発達センターの機能を積極的に活用し、就学前から、学校と関係機関との連携を図り、発達障害児及びその保護者の支援に努めてまいります。 次に、新宿区の教育行政についてのお尋ねです。 御指摘のように、子どもたちを取り巻く教育環境が目まぐるしく変化し、学校のあり方そのものが大きく転換点を迎えています。今こそ新宿の教育は何をなすべきかを真摯に考えなければならないときです。 学校教育では、個に応じたきめ細かな学習指導を徹底し、子どもがみずから学ぶ意欲をはぐくみ基礎学力を身につける、こうした教育の実践に取り組むこと、あわせて子どもに生きる力を育成することが何より大切です。 また、これからの学校教育は、地域との連携を強化し、「地域に開かれ、地域に支えられ、地域に信頼される学校づくり」を目指すことが必要です。教育委員会では、学校、家庭、地域が連携し、その総合力でさまざまな課題を解決する中で、学校が地域コミュニティの核として機能していくよう、地域人材を活用した教育活動を支援していきます。 また、この間、私は、学校視察を通して学校の安全管理対策の重要性を実感しているさなかに、寝屋川市立中央小学校の痛ましい事件が起こってしまいました。子どもたちが学校や地域を学びの場として安心して活動できるよう安全対策を講じることは、喫緊の課題と改めて認識したところです。 私は、こうした多くの課題を抱えたこの時期に、新宿区の教育長を拝命し、課せられた重責を全うするために全力を傾注して新宿の教育の一層の発展に邁進する決意です。 次に、校長のリーダー研修の充実についてお答えいたします。 これまでも、当面する教育課題の解決と実践的な学校経営のあり方を中心に、年2回の校園長研修会を実施してまいりました。今年度は、東京都教育委員会の主任指導主事を講師に「特別支援教育の考え方」を、また、元朝日新聞学芸部編集委員の方を講師に「男女共同参画社会の推進」をテーマに研修を実施してきたところです。 こうした教育課題の解決についての研修とともに、今後、校長には社会のニーズに的確に対応しながらよりリーダーシップを発揮し、学校内外の力を結集し、学校教育目標を達成していくという経営能力を高める研修の充実を図る必要があります。 御指摘のとおり、今後は、民間経営者や学識経験者等を講師に招き、より実践的な研修を実施することにより、経営意欲、地域や関係諸機関との調整能力等のマネジメント能力を高めるなど、校長のリーダーとしての資質の向上を図ってまいります。 次に、スクールスタッフ新宿についてのお尋ねです。 本制度のねらいは、中学校を軸とした幼・小・中の協力体制を確立する中で、必要な人材を確保し、学校教育力の向上を図ることです。現在、スクールスタッフ新宿で活用している人材は、生涯学習財団の文化等学習支援者バンクなど、これまでの登録制度に限らず、学校の要望に即した図書館司書や少人数学習指導の講師といった有資格者等で構成されております。 本事業の規模は、学校数等に基づき決定します。具体的には、各中学校区に配分された予算内で、各校の教育課程に合わせて各校区単位で立てた年間執行計画により、学校の必要に応じた人材をスクールスタッフとして活用するというものです。また、その運用は、各校区の学校・園の自律性にゆだねられています。 教育委員会といたしましては、一層の地域の人材活用を図るために本制度の周知、運用方法の工夫改善に努めてまいります。 次に、環境教育プログラムの策定についての御質問にお答えいたします。 教育委員会では、平成7年度から学校教育の重点事項の一つとして環境教育の充実を取り上げ、平成8年度末に「環境教育副読本」、平成9年度に「環境教育推進の手引」、平成13年度には「環境教育副読本活用の手引き」を作成し、各学校では、これらのプログラムが活用されております。 具体的には、例えば大久保小学校では、「豊かな人間性をはぐくむ環境教育」を研究主題に、地域のNPOや企業と連携し環境教育の推進に力を注いでおります。他校においても、総合的な学習の時間で、環境をテーマに現地学習等の体験的活動を積極的に取り入れ、実践をしております。 また、環境教育に配慮した施設整備等についての御質問ですが、環境教育を充実させていく上で、施設整備面の改善は重要であると考えております。新校建築では、太陽光発電や水車を利用した自己発電の施設など、環境学習に活用できるものも予定されています。また、既存の学校では、自然の循環システムを学習できるビオトープの設置や、校地の緑化を進め、稲作体験や実のなる樹木を育て収穫する体験ができる工夫がされています。 今後とも、御指摘の事業につきましては調査をさせていただくとともに、身近な体験の中から子どもたちが環境について関心を持って学んでいけるよう、環境教育の一層の推進を図ってまいります。 次に、学校の防犯力の強化について、学校の安全性をハードとソフトの両面から総点検し、必要な対策を講ずるべきとのお尋ねです。 先ごろの大阪府寝屋川市の小学校で起きた教職員殺傷事件は、安全であるはずの学校が再び不審者・侵入者の脅威にさらされた大変に痛ましい事件でありました。事件を踏まえ、さらに一層学校の安全管理を高める必要性を痛感しております。教育委員会では、事件を受け、2月15日から3学期修了までの期間を学校安全管理強化月間と定め、各学校において具体的な対策を講じているところです。これは、各学校の安全管理マニュアルや施設面の安全性など、これまでの危機管理体制、安全管理対策を再度総点検し、受付体制の強化や学校内外の巡回を充実するものです。 また、校長会との協議の結果、侵入者による被害を最小限に食いとめるため、防犯用品を早急に配備することといたしました。 さらに、教育委員会では、警察や地域への協力を依頼するとともに、これまでの取り組みの検証を踏まえて、不審者の侵入を防ぐための施設の改善と安全管理を充実強化するための体制の確保の両面から、より一層学校の安全性が高められるよう具体的方策を検討してまいります。 次に、区立小学校への独自予算でのスクールガードの配置についてのお尋ねです。 今回の寝屋川市立中央小学校の事件後、各学校では、学校の全職員が総力を挙げて来校者の受付体制の強化や、校内外の巡回を行っているところです。地域に開かれた学校を推進する上で、より一層の安全確保を目指した危機回避のための実践的な訓練や施設面の対策を講じることが、学校と教育委員会に課せられた最も重要な責務と認識しております。 教育委員会といたしましては、さらに御指摘の点も踏まえて、子どもの教育活動中の安全確保をより一層強化する方策について早急に検討してまいる所存です。 次に、地域の防犯力の向上に関する取り組みについてのお尋ねです。 奈良県の小学校児童殺害事件や全国各地で連れ去り未遂事犯が頻発する中で、子どもたちが安心して生活できる社会とは言いがたい状況にあります。こうした状況の中で教育委員会は昨年12月に、通学時の安全確保強化月間を、現在は学校安全管理強化月間を指定し、学校の安全対策を強化しているところです。 しかし、子どもたちの安全確保のためには、教育委員会や学校の取り組みだけでなく、地域や警察と連携した地域ぐるみの取り組みが不可欠です。各学校では、PTAが主体となって地域の防犯マップを作成し、地域の防犯活動に活用するなどの取り組みが活発に行われています。教育委員会では、今後とも区長部局と連携をとりながら、地域の方々による防犯パトロール、子どもへの問いかけ、不審者の警察通報などの協力を要請するとともに、警察に学校や周辺地域でのパトロールの強化を要請してまいります。 以上で私の答弁を終わります。 ◆27番(そめたに正明) 自席より発言をさせていただきます。 ただいま区長及び教育委員会から力強い御決意と大変御丁重なる前向きな御答弁をいただきました。細かい部分につきましては、来月から始まります予算特別委員会の席上で同僚議員より御質問をさせていただきます。 どうか区長におかれましては、今後も区民との信頼関係の構築に全力を挙げて取り組んでいただくことをお願い申し上げ、質問とさせていただきます。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(山添巖) ここで、議事進行の都合により15分間休憩します。 △休憩 午後3時45分 -------------------------------------- △再開 午後4時01分 ○議長(山添巖) ただいまから会議を再開します。 質問を続行します。 28番野口ふみあき議員。     〔28番 野口ふみあき議員登壇、拍手〕 ◆28番(野口ふみあき) 私は、平成17年第1回定例会に当たり、自由民主党議員団を代表いたしまして区長並びに教育委員会に質問いたします。何とぞ誠意ある答弁をよろしくお願いいたします。 ことしは、第2次世界大戦の終戦から60年になります。我が国は、この60年の間に経済生活においても社会福祉においても、また社会基盤整備等においても大きく発展し、我々の生活は豊かになりました。そして、国際的にも世界のリーダー的役割を担うまでになりました。戦後のあの無残な焼け野が原からのこの発展は、世界各国からも奇跡的な復興だとの称賛を得ています。これも、祖父母の世代、親の世代、そして我々の世代が世代を超えて一致結束して復興に取り組み、発展に努めてきたその成果だと思います。この平和な社会を後世にしっかりと引き継いでいかなければなりません。 戦後60年を迎えた現在、日本も世界も大きく変わりました。60年という歳月は、我々の人生においても、えとがめぐって還暦を迎え、人生の大きな節目を迎える年でもあります。我が国は、幾多の困難を乗り越え発展してきたこの60年を一つの区切りとして、ここで我々がこれまで歩んできた道筋と我々が現在置かれている現状をしっかりと検証し、今後のさらなる発展を目指しての新たな取り組みが今求められているのではないでしょうか。 その取り組みは、まずは現在論議を呼んでいる憲法と教育基本法の見直しであります。憲法も教育基本法も、戦後の占領下における米国の意向を強く反映したものであり、我が国の主権を抑制する意図をもって制定されたものと考えています。 この60年間、我々はしばしば憲法の解釈、とりわけ9条の解釈について、独立国らしからぬ論争を繰り返してまいりました。戦後60年が経過した今日、もはや戦前の残滓の呪縛にとらわれず、独立国としての誇りを権威を持って、憲法と教育基本法の改正に取り組まなければならないときであると思います。     〔「アメリカの呪縛に取り込められている」と呼ぶ者あり〕 ここ数年、特に問題になっている規律の乱れ、道徳心の消失は目に余るものがあります。振り込め詐欺や、新年を祝うめでたい場所でのにせ札行使のような、人の善意を踏みにじった行為、そして、学校での入学式、卒業式での国歌・国旗に関する一部の混乱は憂慮すべき事態と言わざるを得ません。今こそ、国の基本法である憲法、次代を担う人材養成の基本である教育基本法を改正し、個人的にも社会的にも立派な人格を有する人材育成に取り組むべきであります。 森の樹木にしましても、根がしっかりと張ってこそすばらしい枝葉をつけ、立派な幹となり、風雨にも耐え得る力強い大木となり、森を守ることができるのであります。たくましい根に美しい花を。 憲法も教育基本法も、まさにこの根に当たるものであります。国の基本を強固なものにすること、だれもが誇れる国とすること、それが備わってこそ世界平和にも貢献できるのであります。 ことしは、我々自由民主党にとりましては結党50年に当たります。我々自由民主党は、この間、平成5年から6年にかけて政権から離れた以外、一貫して国政を担い、責任政党としての務めを果たしてまいりました。     〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕 これからも昭和30年の立党宣言に誓った「内に民生を安定せしめ、公共の福祉を増進し、外に自主独立の権威を回復し、平和の諸条件を調整確立するにある」との精神を堅持して取り組んでまいります。 また、新宿区政においても、我々はこの精神で新宿区の発展と区民の生活向上のために取り組んでまいりますことを申し上げ、質問に入らせていただきます。 まず最初に、区長の区政の基本方針説明について伺います。 区長は、区政を取り巻く現状認識、区政の根本的な方向性、平成17年度の主要施策と予算の概要、施策を推進していく体制、区政運営の基本姿勢等について的確な判断で明確に説明されました。我々はこの方針を支持し、その実現に協力してまいります。 確かに区長の説明のように、国と地方の関係は大きく変わり、地方自治は自己決定、自己責任による自立が強く求められていることとなりました。この自立の区政を進めていくためには、これからは住民も変わらなければなりません。その前に、区政に直接携わる我々がまず変わらなければなりません。それには、行政と区民、議会と区民の距離をこれまで以上に近づけることであります。それは、区民の行政への参加であり、参画であり、区民との協働だと思います。 ここで言う「参加」とは、行政の管理のもとで区民が政策の立案や事業の実施等に加わることであり、「参画」とは、計画の段階からの参加であり、参加も参画も行政を補完することであり、責任は行政にあることだと考えます。 一方、「協働」とは、区民と行政が対等の立場で責任を共有しながら目的の達成に向けて連携していくことだと考えます。したがって、「協働」は「参画」や「参加」よりも区民の主体性がより強いものだと考えます。 この参加、参画、協働をより効果あらしめるためには、まずは行政と区民が情報を共有することであります。それは情報公開の徹底であります。しかもその情報公開は、行政を直接担う職員が、区政全体をよく理解した上でその情報の説明ができる公開でなければ本当の情報公開とは言えないと思います。したがって、職員の意識改革が大事なことであります。そして、この情報公開は、費用と負担についても理解が得られるようなきめの細かい情報公開でなければなりません。その情報内容は、職員の人件費を含めたコストにも及ぶべきであります。区民が負担と受益、いわゆる負担と経費を知ることによってこそ、区民と行政が情報を共有でき、それによって真の参加、参画、協働ができるのだと思います。 また、協働は、区民と行政が責任も共有すると思われるだけに、現在の自治制度の基本である間接政治、すなわち執行機関と議決機関の関係への配慮もなされるべきだと思います。そうでないと、執行機関、議決機関、区民の三つどもえの混乱が生じないとも限りません。これについては、区長は既に配慮されていることではあります。 当区の参加、参画、協働に関する取り組みは、区政情報センターの設置、もろもろの事業の計画やその実績報告書、財政白書、事業別行政コスト計算書の公表等の情報公開、また区政モニター、審議会等への公募委員制度、道のサポート制度による街路樹整備、もろもろのボランティア事業、地域センターの建設・管理運営等の参加、参画、協働事業等がなされ、特に中山区長になってからその進展は目を見張らせるものがあります。この方針は大変結構なことであり、大いに進めていただきたいことであります。 また、これらに加えて職員の意識革命も進んでいることと思っておりますが、この意識改革は終点があるわけではありません。今後もさらなる意識改革を進めていただきたいと思います。このような対応が進むことによって、真の住民自治が根づくことであると思います。 そこで、区長にお伺いいたします。 区長は、区民参加、協働についての現状をどのように評価されておられますか。今後さらにどのように強化していかれるつもりなのか、また、議会制度との調和についてどう考えておられるのかの、その見解もあわせてお示しください。 次に、平成17年度の予算について伺います。 予算に関しましては、別に予算特別委員会が設置される予定になっておりますので、ここでは全般的なことについてお伺いいたします。 本年度の予算は、一般会計が1,067億円、国民健康保険会計が288億円、老人保健会計が228億円、介護保険会計が159億円の合計1,742億円となっております。昨年度に比較して一般会計は3.1%、老人保健会計は3.4%の減ですが、国保会計は3.2%、介護保険会計は8%の増となっております。 一般会計は減税補てん債の借換え分を除いた実質的な予算は、本年平成17年度は1,058億円で、昨年平成16年度の1,029億円に比べ2.8%の増額となっています。借換え債が、昨年度は72億円あったものが、本年度は9億円弱と少なくなったために、総額では減額予算ですが、実質的な予算は増額予算となったものであります。しかし、地方分権改革がなされた平成12年度から昨年度までの5年間を見ますと、当初予算は毎年減額予算が続いてきました。 その歳出予算を性質別で見てみますと、義務的経費は12年度601億円が、本年平成17年度は618億円と、この間わずかな増額にとどまっております。その義務的経費の内訳を見ますと人件費、公債費は減額の傾向にありますが、扶助費だけは一貫して増額の傾向にあり、平成12年度の198億円が本年度は257億円と30%の増額となっております。投資的経費は平成14・15・16年度と減少傾向にありましたが、本年度は増額となりました。また、一般事業費は減額が続いてきました。その中で、繰出金は平成12年度76億円が毎年増額となり、本年度は88億円となりました。これは、国保会計への繰出金の増額が主な理由だと思います。 一方、歳入予算を見ますと、一般財源は財政調整基金からの繰り入れ及び減債補てん借換え分を除きますと、平成12・13年度の720億円、713億円が平成14・15・16年度は693億円、681億円、687億円に減少し、本年度になって703億円と700億円台を回復しました。これは三位一体改革による昨年度の財源移譲による地方譲与税等が新たに加わったことによるものでありまして、区財政の基盤が改善したものではありません。その証拠に、財政収入の中の中核をなす特別区税が、平成12年度から341億円、338億円、342億円、348億円、341億円、本年度346億円と横ばいであります。 この財政状況下で、区長は行財政運営の合理化に取り組まれ、その成果は毎年度20億円から30億円の財源の確保としてあらわれてきました。それが本年度は14億円弱にとどまっております。これは、例年職員定数の削減で7億円から8億円の削減がなされてきたのが、本年度はその削減経費が見当たりません。それにかわり、本年度は区有財産の有効活用で9億円を確保しているのが目につきます。 これらの努力により、実施計画事業や新規事業も毎年実施されてきました。この努力は評価されるべき取り組みであります。本年度も計画事業127事業77億円、新規事業80事業33億円、拡充事業67事業62億円が予算化されております。さらには、各部の自主的な取り組み事業であるアクション04事業も35事業2億円が計上されております。 このような努力と工夫により編成された平成17年度予算を評価した上で、区長にお伺いをいたします。 今後も行財政運営のさらなる合理化・効率化は必要と思いますが、本年平成17年度予算から見ますと、その合理化・効率化による経費削減も限界に近づきつつあると思われますし、また、その収入増も近々には期待できない状況にありますが、今後の財源確保について区長はどのようにお考えになっておられるのかお伺いいたします。 次に、高齢者の就労対策について伺います。 我が国は、少子高齢社会が進むことにより、10年後の平成27年までに15歳から64歳までの生産年齢人口が約840万人減少すると言われております。しかも、2年後の平成19年度から21年度にかけて、いわゆる団塊の世代と言われる人たちが60歳に到達いたします。一方では、我が国の高齢者の就労意欲は非常に高く、60歳代前半の男性の労働力率は70%を超えております。そして、厚生年金、共済年金の支給開始年齢の65歳までの引き上げも決まっております。 このような状況の中で、法的には定年の引き上げの努力義務が定められておりますが、平成15年の厚生労働省の雇用管理調査によりますと、65歳までの人たちの働ける場を確保している企業は70%であり、希望者全員が原則として少なくとも65歳まで働ける場を確保している企業は30%にとどまっております。このような状況では、法律の趣旨が生かされているとは言えません。 また別の施策としては、臨時で短期的で軽易な就業に関する一般労働派遣事業を、シルバー人材センターが届け出ることにより行える高齢者の雇用の安定等に関する法律の一部改正が昨年の6月に成立しております。 このように、国でも高齢者の就労対策を進めておりますし、また高齢者の就労意欲も高く、高齢者がこれまでの経験により習得した知識、技能は社会にとっても大きな財産であります。このような高齢者の高い知識、技能を活用しない手はありません。現実に核家族や少子化により、子育てに悩んでいる方たちを支援する子育ての担い手として、経験豊かな高齢者の方々が地域で活躍している例も数あるとのことであります。 また新宿区では、昨年1月で60歳から64歳の人口が1万7,347人で、全人口の6.4%を占めており、65歳から69歳の人口は1万5,327人で、全人口の5.7%を占めています。したがって、60歳代が全人口の1割を超えています。今後もこの増加傾向は続くものと思われます。したがって、高齢者就労対策は当区でも取り組むべき重要な課題であります。 これに対しまして、当区では既にシルバー人材センターでその取り組みがなされておりますし、また平成14年度からは社会福祉協議会でも高齢者就業支援事業が始められております。そして、その実績もシルバー人材センターでは、平成15年度で受託件数が8,500件余、就業人数が年間延べで14万7,000人余、配分金が6億2,000万円余であり、3年前の平成12年度と比較しますと、受託件数が10%、就業人数が20%、配分金が18%いずれもふえています。 また、社会福祉協議会での高齢者就業支援事業は、平成14年度に始まったばかりですが、平成15年度の実績は、求職登録者が659人、求人数が842件、就職者が167人となっております。 このように、当区ではその実績を上げておりますが、今後もさらなる取り組みが求められることであり、またその成果が期待されるところであります。 そこで、区長にお伺いをいたします。 高齢者の就労対策の最近の現状はどうなのでありましょうか。また、今後の取り組みについてどのようにお考えになっておられるのでしょうか、お伺いをいたします。 次に、清掃事業について伺います。 我々は、これまで生活の便利さ、快適さを求めてきました。その結果、確かに便利で快適な生活ができるようになりました。しかし、そのことが一方では地球環境へのマイナスの負荷を与え、地球温暖化や大気汚染、水質汚染等を引き出し、人に対する健康被害、そして自然破壊等地球規模での大きな環境問題も抱えることとなりました。また、日常生活の身近な問題としましては、ごみ等廃棄物の増加等で生活環境の悪化を招く結果ともなりました。 国においては、環境に関する法律も数多く制定されて、環境を守る取り組みがなされておりますし、東京都でも同様にその取り組みはなされております。 このような中にあって、新宿区が区として取り組む事業の一つが清掃事業であります。清掃事業の中間処理は23特別区清掃一部事務組合が行い、新宿区を初め各区はその収集・運搬であり、その前に取り組む大きな仕事がごみの再利用及び資源化等によるごみ減量化への取り組みであります。ごみの発生量は全国的にも23区でも、また新宿区でもここ数年減少しております。清掃事業が移管された平成12年度から平成15年度の4年間の当区のごみ収集量は、可燃ごみ・不燃ごみ・粗大ごみはいずれも減少傾向を示しております。また、資源回収と集団回収の実績は、資源回収では古紙・瓶・缶の分別回収は年々減少傾向を示し、ペットボトル・乾電池・紙パックの拠点回収は増加傾向を示しております。 一方、集団回収では、回収団体数は横ばいであり、新聞・雑誌・段ボール・その他の紙・生き瓶--再利用できる瓶ですね。アルミ缶類、そして古布等の回収量は若干の増加傾向を示しております。このように、新宿区では数字の上では集団回収量は伸びておりますが、資源回収量は頭打ちの状況にあります。 新宿区は、昨年3月に新宿区環境基本計画を策定しました。その計画の中に、これからの環境施策として4つの基本目標が掲げられておりますが、その中に「資源を大切にした、環境型社会をつくる」、もう一つは「環境負荷を減らし、地球温暖化を防ぐ」との施策を示し、具体的な取り組みを目指しております。平成16年度には、その取り組みがなされていることと思います。しかし、この取り組みは何といっても住民一人ひとりの協力や事業者の協力がなければ効果が上がるものではありません。取り組みの具体的施策の中にも、区民の役割、事業者の役割が示されておりますが、この役割がきちんと果たされるような取り組みも必要であります。それができなければ効果は上がらないでありましょう。この区民及び事業者の理解と協力を得ることは大変難しいことではありますが、何とかその実現を願いたいものであります。 そこで、区長にお伺いをいたします。 不用品の再利用、資源化を含めての清掃事業の現状をどのように見ておられるか、また来年平成18年度に、清掃事業の完全移管を控えて、これからの清掃事業への取り組みについてどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。 最後に、小・中学校の読書指導について教育委員会にお伺いいたします。 最近、子どもの活字離れが問題になっております。その原因は、テレビ、ビデオ等の影響、また幼児期からの読書習慣が身についていないこと等によるものだと言われております。文部科学白書平成15年度版によりますと、平成14年5月の調査結果では児童・生徒が1カ月に読んだ本の平均は、小学校で7.5冊、中学校で2.5冊、高校では1.5冊であり、1カ月に1冊も読まなかった児童・生徒が小学校で8.9%、中学校で32.8%、高校では56%いたとのことであります。このような状況は憂慮すべき状況と言わざるを得ません。 読書活動は、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠かせないものだと言われております。この読書習慣を身につけるには、家庭における幼児期の読み聞かせを大切なことでありますが、学校における読書指導が最も大事なことであると思います。 平成13年12月には、子どもの読書活動の推進に関する法律が公布され、施行されました。平成14年8月には、この法律の規定に基づいて子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画が策定され、その計画の中にも学校における学習活動を通じた読書習慣の確立、読書活動の推進の項目が示されております。この法律では、国民の間に広く子どもの読書活動についての関心と理解を深めるとともに、子どもが積極的に読書活動を行う意欲を高めるために4月23日を子どもの読書の日と定めています。そして、この法律では、当然のこととして地方公共団体にも読書活動推進の実施の責務が規定されております。このように、国では子どもの読書の重要性について取り組みの方針を示しております。 これを受けて新宿区では既に昨年平成16年3月に、新宿区子ども読書活動推進計画を策定し、具体的な取り組みがなされております。この計画では、学校、図書館のみならず、広く幼稚園、保育園、児童館、保健センターまでを対象とした計画となっており、大変心強い計画であります。 具体的な事業の実施としては、実施計画事業として学校図書標準達成率の改善の経費が毎年予算計上されておりますし、また、ボランティアによる学校図書館の整理や読み聞かせ等も実施されております。さらに、本年度予算には子ども図書館の開設経費が計上されております。このように、条件整備の面では積極的な取り組みがなされております。 これらの諸施策とともに、学校での児童・生徒に対する読書の直接指導も重要であると思います。この点に関しましては、朝の読書時間の設定が読書習慣を身につけるのに大変効果があると言われているようでありますし、既に小・中学校でも実施されているとのことであります。 そこで、ここでは学校現場での読書指導についてお伺いいたします。 学校での朝の読書時間や学校図書の蔵書状況など、現状はどういう状況にあるのでしょうか。また、今後、子どもたちの読書習慣をより高めていくためにどう取り組まれていくおつもりか、その考えについてお伺いをいたします。 以上が自由民主党議員団の代表質問でございます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ◎区長(中山弘子) 野口議員の御質問にお答えします。 最初に、区民参加と協働の現状についてのお尋ねです。 私は、区長就任以来、住民自治の充実を目指し、区民との協働を区政運営の基本姿勢の一つとして掲げ、区民等との協働による公共施設の緑化の推進や区道の街路樹、植樹帯の再整備、区民参加による協働推進計画の策定などに積極的に取り組んでまいりました。 こうした区民との協働の取り組みを実践の中で積み重ねていく中で、区民の協働に対する理解が深まってきていると認識しているところです。また、区民参加につきましても、さまざまな局面で区民の積極的な参加を進めてまいりましたが、区民の区政への関心を高め、自治意識の向上に大きく寄与しているものと考えています。 次に、区民参加と協働の取り組みを今後どのように強化していくかとのお尋ねです。 現在、新宿区ではさまざまな分野で多くの区民やNPO、地域団体、事業者などが公共サービスの新たな担い手としてその役割を積極的に果たしてきています。そのため、区が今後こうした多様な主体との協働を一層推進し、新たな公共の領域を拡大していくことはますます重要になっています。 そのため私は、来年度から多くの区民との協働と参画により、基本構想の見直しや基本計画の策定を行っていくとともに、区民の区政参画や地域の課題を解決する場として特別出張所ごとに地区協議会を設置するなど、さまざまな仕組みや機会を通じて区民の参加を進め、区民との協働を強化してまいります。 次に、議会制度との調和についてのお尋ねです。 私は、区民参画と協働を推進することにより、区民が直接区政にかかわり、区政への関心を深めていくことは、住民自治を高めていく上で大変重要なことであると認識をしております。 一方、現在の地方自治制度のもとでは、住民の意思は選挙によって選出された議会や長を通して最終的には行政に反映されることとなっています。そうした自治制度の基本的枠組みの中で、区としての意思決定や政策決定は、区民の意を受けた議決機関と執行機関がともに区民の代表としてそれぞれの役割と責任の中で最終的に決定していくことが自治の基本原則であると考えております。 次に、平成17年予算についてのお尋ねです。 平成17年度予算は、現在補てん債の借りかえ分を除いた実質の規模としては、前年度に比べ29億円、率にして2.8%の増となっており、投資的経費と扶助費の大幅な伸びが特徴の一つとなっています。 また、景気回復の影響などから、区税等の一般財源の増収も見込んでいますが、景気回復の減速傾向や三位一体改革の影響など不透明な要素が多いことから、今後の区財政を取り巻く環境を楽観視することはできません。 そして、第四次実施計画の財政フレームでは、投資的経費の動向などを踏まえ、起債や基金の積極的な活用も図っていますが、財源不足額は平成19年度に向けて拡大傾向にあり、3カ年で45億円が見込まれています。したがって、引き続き行財政改革に積極的に取り組み、経費の削減や財源の確保を図る必要があると考えています。 平成17年度予算では、財源対策として14億円の経費削減などを行いました。御指摘のとおり、区有財産の有効活用による歳入確保がその主なものとなっていますが、事務事業の見直しなど、平成18年度以降にその効果があらわれてくるものもあります。 また、平成16年度の最終補正予算では、税収増や予算執行過程で生じた財源を基金の繰り戻しや積み立てに充当し、将来需要に備えた基金残高の確保を図っています。 いずれにしても、安定した財政運営を持続していくためには、不断の改革が前提となります。今後ともこれまでの取り組みを継続するとともに、第二次行財政改革計画の改革課題である施設のあり方や外郭団体等のあり方の見直しを初め、区税や国民健康保険料等の収納率向上などさらなる事務事業の見直しに取り組み、財源の確保と効果的、効率的な配分を通して安定した財政運営と区民サービスの向上を図ってまいります。 次に、高齢者の就労対策についてのお尋ねです。 まず、高齢者の就労対策の現状についてです。 一般的雇用は望まないものの、就業を通して社会参加を希望する高齢者を対象に、臨時的、短期的な就業を確保、提供するシルバー人材センターへの登録者は年々増加傾向にあります。 平成17年1月末現在で、センターの就業人員は延べで約14万6,000名、受託件数は約8,500件、契約金額は約6億円強と、前年度同期比それぞれ、就業人員で18.6%、受託件数で18.3%、契約金額で8.8%の増となっています。 また、社会福祉協議会が行っている高年齢者無料職業紹介所(新宿わく☆ワーク)の実績は、平成17年1月現在で、新規求職登録者数451名と、前年度同期の525名に比べ減少していますが、就職者数は150名と20%増加しています。また、独自の求人開拓でも268件の成果を上げています。 次に、高齢者の就労対策への今後の取り組みについてのお尋ねですが、御指摘のとおり、今後団塊の世代が高齢者の仲間入りをし、高齢者比率はますます高まります。その中で社会の活力を維持していくには、高齢者の経験、知識や技能を活用していくことが重要です。また、価値観や生活様式が多様化した今日では、高齢者の能力を生かす就労の形態にも柔軟性と多様性が求められます。 そこで、平成17年度に団塊の世代を中心とした方々を対象に社会参加意識の調査を行う予定ですが、その中で、就労に対する意識も調査したいと考えています。その結果を踏まえて、可能なものは区の施策へ反映し、必要に応じて国や都への提言、要望も行っていきたいと考えています。 次に、清掃事業についてのお尋ねです。 限りある資源を大切にし、地球に優しい資源循環型社会への転換を図ることは、区政にとっても重要な課題です。このため、ごみの発生抑制やリサイクルの取り組みを進めてきました。この取り組みを進めていく中で、行政収集ごみと事業系のごみとを合わせた新宿区の総ごみ量は、平成8年度の約24万トンから平成15年度は約20万トンへと、15%の減少となっています。また、資源回収につきましては、この間約1万1,000トンから約2万1,000トンへと、約2倍の回収量となっています。 しかしながら、御指摘のように、ここ数年はごみ量も資源回収量も横ばい状態となっているのが現状です。 次に、これからの清掃事業の取り組みについてですが、平成18年の清掃事業区完全移管に向けては、区内を2分割していた清掃事務所を統合しました。また、収集エリアの見直しをするなど、地域の特性を踏まえたきめ細かな清掃事業ができるよう準備を進めています。 具体的には、区民の方々の協力で進めている資源集団回収は、今年度約40団体増加し、約340団体となり、世帯参加率で見れば約50%となっています。今後さらに区民の皆様への参加を呼びかけて、60%への拡充を目指してまいります。 次に、ペットボトル回収については、集合住宅を拠点に加え、回収の拡充を図っていきます。さらに、ふれあい指導班の体制を充実させて、事業所のごみ減量、リサイクルについての指導を推進してまいります。 今後のさらなるごみ減量のためには、事業者や区民との協働に加え、リサイクルの前にできることとして、ごみを出さないための工夫、リデュースや、捨てないで繰り返し使う工夫、リユースの考えにあわせたライフスタイルへの変革が重要と考えています。 このため、発生抑制に向けての環境学習の充実のほか、環境・消費者行政等との連携を図り、総合的な普及啓発を推進します。 また、循環型社会形成推進基本法による拡大生産者責任の考えに基づき、製品製造者においては、廃棄物とならないような製品づくりをするよう国に要望していきます。 今後とも、持続可能な資源循環型社会を目指して区民、事業者の理解と協力を得て、ごみ減量リサイクル事業を積極的に推進してまいります。 以上で私の答弁を終わります。 ◎教育長(金子良江) 教育委員会への御質問にお答えいたします。 まず、小・中学校の読書指導についての御質問です。 現在、小・中学校の8割が授業開始前の10分から15分間の朝の読書指導を実施しております。また、蔵書状況につきましては、国が定める図書標準冊数の比率では、新宿区は平均すると充足率約100%です。しかし、学校ごとに見ますと、積極的に図書の整理を行った結果、充足率が低い学校もあります。そこで、そのような学校へは特に重点的に予算措置を講じて、すべての学校が充足率100%となるよう蔵書状況の充実を図ってまいります。 次に、子どもたちの読書習慣の定着のための取り組みについてです。 これまでも各学校では、朝読書の実施や国語の授業等での読書指導の充実を図ってきました。また、中学校区の幼稚園・学校が連携し、教育活動を充実させる目的で導入したスクールスタッフ新宿では、幼稚園から子どもの発達段階に応じた読書に親しませる活動を行っています。学校でのこのような取り組みの結果、学校図書館の開館日数がふえ、児童・生徒の利用数が増加する、読書量が増加する等の成果を上げています。 教育委員会としましては、今後も各学校・幼稚園での朝読書や読み聞かせ等の読書指導の充実や、スクールスタッフ新宿や学校の図書館ボランティア等、人材の活用の充実を図り、発達段階に応じた読書習慣の定着への取り組みを一層推進してまいります。 以上で私の答弁を終わります。 ◆28番(野口ふみあき) 自席より発言をさせていただきます。 私の質問に対しまして、教育長、教育委員会双方とも、簡単明瞭な、丁寧と言っていい答弁をいただきました。ありがとうございました。 我が会派としましては、ほかに数多く質問もございますけれども、3月1日より始まります予算特別委員会に出席します我々の会派選出の委員たちに任せることにいたしまして、代表質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(山添巖) 次に、9番根本二郎議員。     〔9番 根本二郎議員登壇、拍手〕 ◆9番(根本二郎) 平成17年第1回定例会に際し、新宿区議会無所属クラブを代表して、区長並びに教育委員会に質問します。 去る2月22日、平成17年度の区の基本方針について区長から説明がなされました。私は、この区長の基本方針説明に即し、私たちの意見を述べながら質問します。 21世紀初頭の私たちを取り巻く環境は、地球的な規模での温暖化の進行、異常気象、そしてグローバリゼーションと呼ばれる世界的な規模での資源の収奪、富と貧困の格差の増大、あげくの果ての武力による対立など、人類そのものの生存を脅かす危機的状況にあると言わざるを得ません。 国内に目をやれば、豊かなはずである日本の経済状況であるにもかかわらず、740兆円の借金を抱え、いつ破産するかと心配しながら経済社会の立て直しが求められている現状です。 過日の区長の説明は、こういう状況を見据えながら、新宿区における少子化時代の子育て支援、高齢者・障害者が生き生き暮らせる社会、だれもが安心・安全に暮らせる文化の薫りのまち、それを担う地域の自立、多様と分権への挑戦、そしてこの挑戦は決して生易しいものではないが、必ず実現する以外ないという決意と熱意が伝わるものでありました。 また、平成17年度の重点施策も明快に展開していました。この区長の決意と方針を支持するとともに、厳しい財政状況ですが、めり張りのある区政を全職員一丸となって執行されることを望み、その上に立って私の質問をするものであります。 第1の質問は、効率的な財政の運営についてです。 区長は、平成17年度の予算の財政見通しについて、「景気が穏やかな回復傾向にあることから、特別区民税や特別区交付金等の増加を見込むことができましたが、景気の減速傾向が懸念されている中で三位一体改革の影響など未知数な部分もあり、区財政を取り巻く状況は楽観視できません」と述べています。私も全く同感で、楽観視できないと思います。 特別区民税の増加は、区民の所得の回復によるものではなく、居住の回帰などによる新宿区民の増加によるものであります。そして、最近の経済産業省の見通しは、景気は踊り場であると言っています。踊り場というのは、階段の踊り場ですから、一休みしてまた上るのか、あるいは休みっぱなしなのか、あるいはこれから下るのかと、そんな不安があります。 また、三位一体改革という政府のかけ声は、自治体への税源移譲による地方の自立なのか、逆に地方の切り捨てなのか予断を許さないところです。 そのような中で、区は平成17年度第四次実施計画の初年度を迎えるわけです。バブル崩壊後、もろもろの基金を取り崩してやっとしのいだということを総括すれば、4年連続の実質単年度収支黒字ということで浮かれることなく、引き続き行財政の改革を進めなければならないと思うのであります。 そこで、平成17年度財政改革において改善すべきことは多々ありますが、ここでは1つに絞り質問します。 それは、特命随意契約の徹底した見直しについてです。新宿区監査委員による行政監査報告書に詳しく分析され、勧告されていますので、多くを申し上げません。平成15年度、区の契約金総額は430億円でありますけれども、そのうち随意契約により契約した額は373億円であります。率にして86.5%です。その86.5%のうち94.6%、額にして353億円が特命随意契約です。特命随意契約というのは、特定した企業に命じて契約するということですから、競争性はありません。これを可能な限り競争入札に変えるべきであると言いたいのです。なぜなら、特命随意契約では、契約額が予定価格とほぼ同額であるのに対し、競争入札の場合は予定価格の平均ですけれども、85%程度の額で契約が成立しているのです。明らかに節減できているからであります。平成17年度の特命の随意契約について徹底して見直し、経費の削減を図るべきと考えます。そして、年度末にどれだけの節減になったかを精査し、翌年の積算に反映させるべきと考えますが、いかがでしょうか。区長の御見解をお伺いいたします。 2番目に、平成16年度の区政運営を振り返っての質問です。 この1年間、区長は新しい施策を積極的に実行してきました。今議会にも絶対高さ制限の導入を表明していますし、紛争予防条例の改正なども示されています。私は、2年間の環境建設委員として区民の陳情にこたえられないもどかしさを感じていましたが、この高さ制限や紛争予防条例はもろもろのことがありますが、区長の積極的な姿勢として評価しているものであります。     〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕 しかし、その平成16年度新しい施策の実行に当たり、地元の同意をなかなか得られないという事態に何度か直面しました。議会も、総論としては賛成でありながら、議案の採決に当たり全会一致になれないという事態を経験しました。 そこでお尋ねしたいのは、施策の決定に際し、幹部職員の中で徹底した論議がなされていたのかどうか、あるいは議会や当該関係者に十分説明がなされていたのかという点であります。 総論としては正しい施策と評価されても、新しい施策の導入については未知なるものへの不安はつきまとうのであります。その施策が当該地域関係者にどのような影響を与えるか、どのような不安を持たれるか十分慎重に調査し、こたえられなければなりません。この点についての教訓と克服策をお聞かせください。 これは偶然にも前2人の質問者が同じようなことで質問していますが、私も感じたところであります。 続いて環境問題についてお伺いします。 区長は、基本方針説明で「この2月16日には京都議定書が発効し、これにより日本は温暖化ガスを2008年から2012年までに1990年を基準に6%削減しなければならない。区としても一段と環境問題の対応が問われています」と述べ、「都市のみどりは、人々の心に潤いと安らぎをもたらすだけでなく、都市のヒートアイランド化を防ぎ、ひいては地球温暖化の防止にも大きな役割を果たします」と地球環境や水とみどりの施策の実行を積極的に述べられています。私も全面的に賛成です。 その上に立って具体的に区長の見解を伺います。 1つは、この区長の思いと同じ思いで今ある緑や環境を守るために区内各地で立ち上がっている区民の皆さんの運動を、協働と参画の視点からぜひ支援していただきたいということであります。 昨年9月、新宿御苑に接した内藤町で、無残にも巨樹、巨木が切り倒されてしまいました。今、おとめ山、野鳥の森公園、薬王院に連なる下落合でも、まさに同じような事態に直面しています。この件は、私は昨年11月の本会議で質問していますので、その後の経過について簡単に報告し、質問するものであります。 その後、昨年12月22日、近隣の住民の皆さんは、下落合四丁目の旧遠藤邸と申し上げますけれども、旧遠藤邸を区に買い取っていただきたいと陳情しました。しかし、区は財政難のため困難であるということでありました。そこで、買い取り資金の3分の1、約2億5,000万円を目標に基金を募ることにしました。2月6日には約50名の参加を得て、下落合みどりトラスト基金の設立集会を持ち、寄附を募り始めました。近隣の篤志家より2億円、1,000万という大口の寄附や、またPTAの有志や子どもたち、報道で知った人たちなど大勢の方々の協力で2億2,000万円近い寄附が集まり、2月22日には第1次分として区長に託されました。さらに、この基金とは別に隣接の土地470坪についても寄附の申し入れがあると聞いています。 一方、事業者の方は、売却額など条件さえ合えばということで柔軟な姿勢を見せてくれてはいるものの、2月25日から家屋の解体に入りますという告示をするなど、今にも家屋の解体あるいは伐採が始められるというような緊迫した状態が続いています。 区長は、みどりの基金を見直し、緑の保全に積極的な姿勢を示しています。そして、区長の諮問機関のまちづくり懇談会の討論、あるいは2月2日に行われたまちづくりフォーラムにおいても、落合地区の貴重な斜面緑地の保全がテーマに上っていました。この時期に下落合で起きている基金運動という自然を守るための強い意思と行動力を注目し、酌み取っていただきたいのであります。これが成功すれば、協働と参画のモデルとなり、みどりの基金や条例改正をしようという区長の気持ちは伝わり、緑の保全事業は大いに飛躍するでありましょう。 これは私見でありますが、開発から緑を守るというのは大変なことです。11月11日から恐らくこの2カ月間、毎日毎日が事業者との追いかけっこでありました。いつ切り倒されるか、そしてどうやったら残るかということの1日1日のその緊迫した状態が続いている、この状態の中で緑を守るのか守らないのか、そういう闘いというか厳しい状態の中でなければ、開発から緑を守ることはできないと思うのであります。ぜひ区長の英断をお願いしたい、このように思います。 財政難ということであるならば、さきのトラストでもありましたように、あるいは購入資金として区民債の発行ということもあります。 例えば八王子市は、市街化区域の緑地を取得する際、その財源として5年満期のミニ公募債を発行しようとしています。このような手法も考えられましょう。 ぜひこの区長のみどりの基金あるいは緑を守るという決意を現実のものとして下落合で示していただきたい、このように思います。 教育委員会にお尋ねします。 第4回の定例会での私の質問に対し、12月3日、直ちに文化財保護審議委員の方に調査をしていただきました。その際、前回の質問で私は、旧前田子爵邸を移築したと伝えられるというというふうに申し上げたのでありますが、結果は前田邸の遺構は見られない。要するに前田邸の移築等は考えられないという調査結果が出てしまいまして、保存はあきらめかけていました。地元の皆さんも含めてですね。しかし、その後、2月19日に伊郷吉信先生という、これは文京区の文化財審議委員もやっていらっしゃる先生でありますが、その先生が、実際家屋の中に入って、はりまで見ての判断で、このように言っています。「その自然とともに戦前の遺構として歴史的価値の高い文化財であることが確認された。区民の財産となり得るかどうか、早急にさらなる調査が望まれる」、このような調査結果でございます。前田子爵邸であるかないかというのに私はこだわったわけでありますけれども、そうではなくて、大正期から昭和期の和風の数寄屋風の建築は高いということを、そしてその上で残す価値があるかどうかということを、改めて教育委員会あるいは文化財保護審議委員会の先生方の判断を仰ぎたいと思うのであります。 地元では、2月27日には石川幹子先生、ボストン在住ですから今本人は現地に来れないんですけれども、先生推薦の先生が庭園を判断してくれます。そして、2月28日に藤森照信先生という東大の教授で路上観察学会の第一人者だそうですけれども、この方が家屋を調査していただけると。何としても、真実の歴史的・文化的な価値を見きわめたい、このような思いでございます。どうぞ教育委員会の方も酌み取っていただきたいと思うのであります。     〔「区長も教育長も見に来てください」「そうだ」と呼ぶ者あり〕 続いて、内藤町についてお伺いします。 内藤町は、区が地区計画を定め、歴史的な景観を保全するというふうになっている地区です。しかし、その地で相続により開発業者の手に渡った土地270坪が6区画に分け分譲され、そして無残にも樹齢100年の巨樹、巨木が切り倒されてしまいました。私たち環境建設委員会が現地視察に行く直前でありました。それでも住民の皆さんは、私道通行禁止の仮処分で対抗し、勝訴し、そして今でも町を守ろうとして奮闘しています。 内藤町の皆さんは、内藤新宿発祥の地を守り後世に残すことは自分たちの使命と考え頑張っておられます。新宿区に携わる我々は、内藤町を新宿区発祥の地として、この町を守り発展させるために一体何ができるか真剣に考えなければならないと、このように思うのであります。ぜひ内藤町への支援を区長にお願いしたいというふうに思うのであります。区長の御見解をお伺いいたします。 次に、基金の増額についてです。 結局のところ、相続税が発生した土地を買うということになれば、買収費用をだれが出すのかということになってしまうのであります。歴史的な由緒のある、しかも自然の美しい土地を保全するには区が買い取るしかないというのが今のところの結論です。つまりみどりの基金を飛躍的に増額すること、例えば鎌倉市はトラスト基金50億円、世田谷区では7億円を常時積み立てているとのことです。区民のエネルギーを生かすために、特別区債の発行も含め、常日ごろから緑の保護に対する区民の善意の受け皿としてみどりの基金の増額とトラスト要綱などの整備が急務であると考えます。御見解をお伺いいたします。 続いて、新宿御苑開園100周年と玉川上水の復活、復元についてです。 来年2006年は、新宿御苑開園100周年の記念すべき年であります。区長は昨年7月、小池百合子環境大臣、石川幹子慶応大学教授とともに、100周年を記念して玉川上水の復活に向けた抱負を述べられていました。私たちも賛成です。私たちは十数年前その運動を行い、もう一歩のところまで行きながら挫折した経緯があります。したがって、今度こそぜひ実現していただきたいと思うのであります。 玉川上水は、羽村の堰から大木戸まで43キロ、そのうち上流31キロが開渠で、この開渠部分については1999年に東京都の歴史環境保全地域に指定され、2003年には国の史跡に指定されています。終点の四谷大木戸が復元されることは、途中の暗渠部分の復元運動にも大いに勇気を与えるものであり、大変意義あることと思います。玉川上水復元に向けた区長の御決意をお伺いいたします。 また、ちょうど来年度予算化されています新宿一丁目、二丁目の歩道整備についても、この計画と連携をとり、ぜひ水とみどりのプロムナードの一翼とすべきと考えますが、いかがでしょうか。 これについて教育委員会にお尋ねしたいのでありますが、玉川上水が復元されるということは、文化財としての価値も高いと認識していますが、いかがでしょうか。 もう一つ、民俗文化として調査そして保存していただきたいことがあります。1998年、内藤新宿開基300年の年に、東京の民謡を歌い継ぐ会という皆さんが、新宿にかかわる民謡を発掘しました。「鮎担ぎ唄」というのであります。江戸時代に多摩川でとれた鮎を四谷へ売りに来た担ぎ師が歌った歌であります。歌詞もあるんですけれども、長くなりますからきょうは省略します。 そして、昨年末には大正期から昭和期に太宗寺近くでの祭りで歌い、踊られていた「新宿音頭」というのが復刻されました。これはちょっと歌詞の一節を紹介します。「水は上水」これば玉川上水の方です、淀橋じゃなく。「水は上水、花なら御苑、月の眺めは十二社」というなかなか情緒ある歌であります。これは戦中疎開地でお姉さんから教わり、たった1人覚えていた新宿二丁目在住の永井京子さんという方の記憶をもとに、これも東京の民謡を歌い継ぐ会という会の皆さんが復刻したものであります。 戦後ちょうど60年を経て、そして新宿御苑開園100周年のこの時期の復活というのも何か因縁を感じます。御苑100周年と玉川上水復活とあわせ、ぜひこの「新宿音頭」にも光を当て、教育委員会として文化財として普及に尽力していただきたいのであります。御見解をお伺いします。 次に、地球温暖化防止に向けた取り組みについてお伺いします。 八王子市の恩方という山があります。炭焼きをしている私の友人から、新宿区民の健康を守るには多摩の山を変えることである。花粉症がひどいと言われるが、多摩の山林の9割が杉、ヒノキだと。多摩の山をナラやクヌギや山栗など照葉樹林に変えれば花粉症もなくなり、温暖化防止にもつながると言われ、はっとしました。私は二酸化炭素の削減について区の中でのことしか考えていなかったからであります。区内での削減努力ももちろん大事です。しかし、新宿区民に貴重な酸素を供給してくれるのは多摩の自然です。 そして、つい先日、港区や渋谷区の有志の議員と、八王子からあきる野台地を歩きました。まさに多摩の山は杉、ヒノキの山でした。しかも木材不況で管理会社が倒産し、一部手入れができていない状態にもあります。 そこで、私たちは多摩の有志の方々が進めている杉、ヒノキの山をナラ、クヌギ、山栗などの照葉樹に変える運動に参加することにしました。名称はどんぐり銀行運動です。本店はあきる野・八王子市民のグループです。さしずめうちはどんぐり銀行新宿支店ということになります。 五、六年物の苗木1本を1,000円で買ってもらい、苗木に所有者の名前をつけて植え、そして杉、ヒノキの針葉樹林を照葉樹林に変えていくという運動であります。昨年の台風22号で四国などの土砂崩れは杉などの針葉樹林のところであったことは知られています。針葉樹林は根が小さく、保水性が弱いからだそうです。しかも腐葉土ができないため、土が死んでしまいます。照葉樹林は土を豊かにし、さまざまな微生物、昆虫、動物を育てます。保水能力も高く、土砂崩れを防ぎ、河川のはんらんなどの抑止にも役立ちます。木の実は動物の食料を提供します。このような見地から、都心の空気をきれいにし、花粉症をなくし、温暖化対策にも連なる多摩の緑の再生に向け区としても取り組むべきと考えます。 具体的には、倒産して売りに出している山を区が買い取って植林運動を推進すること。山林は1山100万円という単位だそうです。先方の市と連絡をとり、里山トラスト運動として市民にあっせんすることでもよいでしょう。環境学習情報センターの運動として、あるいは自然体験学習として、教育委員会としても取り組んではいかがでしょうか。この点は区長と教育長の両方の答弁を求めます。 このようなことを視野に入れ、まず八王子市やあきる野市と連絡をとり、連携を深めていただきたいと思います。多摩の山の緑、羽村から大木戸までをつなぐ玉川上水の水、そして新宿御苑の緑と、水とみどりのネットワークが完成すれば、「ウォーク新宿」のメインコースとして華やぐことと期待しています。 次に、耐震施策についてお尋ねします。 昨年12月15日、中央防災会議「首都直下地震対策専門調査会」より、都心西部直下地震、つまり西新宿の都庁直下を震源として、冬午後6時、風速15メートル、マグニチュード6.9の地震が発生した場合、死者約1万2,000人に上るという予測が発表されました。その被害規模の大きさにだれもが震え上がったかと思います。つまり1万2,000人の大半は新宿区民だということになるわけです。 この地震災害は必ず来ると覚悟し、備えなければなりません。その被害をできるだけ少なくするための切り札として、区長は、昨年--今年度ですけれども、家屋の耐震補強支援を打ち出しました。しかし、現在、診断申し込みは99件あるものの、補助の実績はいまだ1件ということであります。緊急の施策としては、体制、制度ともに不十分であると言わざるを得ません。さらに、施策の補強、充実を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。 特に平成14年12月、東京都が公表した地震に関する地域危険度測定調査報告書によると、総合危険度が高い都内20に入っている地域が区内には3つあります。つまりワースト20です。神楽坂四丁目、赤城下町、坂町、都内の地域数は1,800余ということですから、そのうちのワースト20ですから相当ひどい。この地域については特定し、重点的に家屋の耐震、不燃化などの補強を呼びかけるべきと考えるが、いかがでしょうか。 さらに区長は,地域防災計画を見直すと述べていますが、さきの中越地震や中央防災会議の報告を教訓として、災害対策本部のありようなど、この際抜本的に見直すことを望みます。 最後に、教育委員会指定管理者制度について質問します。 去る1月26日と31日、スポーツ施設の利用団体を対象に、平成18年度からの指定管理者制度の移行についての説明会があったそうであります。その説明会に出席した少年のスポーツ団体の方々から、例えば西落合少年野球場など、今は無料で使用できている施設が有料化されるのではという不安を強く訴えられました。指定管理者制度の導入は、民間のノウハウを活用し、より効率的な管理運営を行うというのが趣旨であり、どうしてボランティアの方々が不安を抱くような説明になるのか私にはわかりません。指定管理者制度の基本的な認識と今後の方向をお示しいただきたいと思うのであります。 少なくとも少年団体の施設利用については無料を継続すべきと思いますが、いかがでしょうか。教育委員会の見解をお伺いいたします。 以上で私の質問は終わりました。御清聴ありがとうございました。(拍手) ◎区長(中山弘子) 根本議員の御質問にお答えいたします。 初めに、財政の効率的運用の観点から、特命随意契約の見直しを図るべきとの御指摘です。 特命随意契約の大部分は、契約内容から見てそうせざるを得ないものですが、案件によっては競争入札にすることが可能なものがあります。 そこで、私は、平成16年度の行政監査を踏まえ、見直しを指示し、職員の健康診断など幾つかの案件を競争入札に切りかえることにしました。また、平成17年度においても引き続き見直しを行い、その結果が予算に反映できるものについてはそのようにしたいと考えています。 次に、新たな施策の実行が当該地域や関係者にどのような影響を与えるかなどについての教訓と克服策についてのお尋ねです。 御指摘のように、新たな施策を立ち上げ実施する際には、庁内での徹底した議論と、その施策が当該地域や関係者に与える影響や反応について事前に十分調査し、こたえられるようにすることが必要です。 これまでも区としてはできる限りの時間と労力をかけて、そのような対応に努めてきたところですが、十分でない面があったことについては率直に反省し、教訓としていかなけれなりません。新しい施策を導入するに当たっては、事前の十分な情報収集と地域や関係者の実情の把握に努め、庁内での徹底した議論に基づき、施策の検証が行えるようにするとともに、議会や当該関係者に対する説明についても十分配慮してまいります。 次に、下落合四丁目の旧遠藤邸跡地の買い取りについてのお尋ねです。 私は、都市という空間で人が暮らすためには、みどりや水辺が重要であり、みどりや水辺は人の生活に潤いを与えると思っています。そのため、下落合四丁目の区民の方々の緑を守ろうとする一連の活動は十分理解し、共感しているところです。また、区民の皆さんが地域の豊富な緑を守るため、下落合みどりトラスト基金を創設し、大勢の方の寄附を募り、区へ購入を働きかけるという今回の行動につきましても評価をしているところです。 しかしながら、貴重な区民の税金を使って区がこの土地を購入する場合、区民の御理解を得られる適正価格でなければなりません。さらに、下落合のみならず広範な地域に住む区民の賛同も得られる必要があるとともに、事業者などの意向も確認していく必要があります。そのため、現在、事業者に意向を確認中ですので、その結果を踏まえ、総合的に考慮した上で区としての判断をしなければならないと考えています。 次に、内藤町のまちづくりについてのお尋ねです。 内藤町は、新宿御苑と一体となった緑豊かで良好な環境を持った住宅地です。この環境を維持していくことは、新宿区にとって大変貴重な財産となっています。私は、新宿御苑と一体となったこの地域の住環境を守り発展させていくことが、貴重な緑を守るためにも大切だと考えております。 そのためには、今回のような相続による宅地の分割による緑の減少を防止する必要があり、最低敷地面積を定める項目を地区計画に追加するとともに、地区計画の内容の条例化が必要となってきます。区では、内藤町のまちづくりをこうした方向に誘導すべく、地域の皆様の御意向にも留意しつつ指導、助言をしてまいります。 みどりの基金についてのお尋ねです。 現在のみどりの基金は、果実運用型の基金であるため、運用益を特定の緑化事業に活用しているところです。しかしながら、区民の皆様の緑の保全に対する積極的な取り組みや善意を生かすために、基金を柔軟に活用して緑豊かな土地を購入し、公園や緑地として整備できるようにみどりの基金条例を見直してまいります。そして、区民、事業者からの寄附を受けた場合には、寄附者の名前を、整備する公園の敷石に入れることなどを検討し、緑の保全に対する積極的を寄附等を促進してまいりたいと思います。 なお、御提案のありました特別区債の発行やトラスト要綱などの整備については、他の自治体の事例を参考にしながら今後の課題といたします。 次に、新宿御苑100周年と玉川上水についてのお尋ねです。 御指摘のとおり、2006年には新宿御苑開園100周年を迎えます。それを記念して貴重な文化遺産である玉川上水をしのばせる流れを御苑内の遊歩道部分を活用してつくれないかという慶応義塾大学教授の石川幹子さんの提案に私も賛同して、小池環境大臣に働きかけ、現在新宿御苑100周年記念事業の一環として、環境省がその具体化に向けて検討しています。 先日のまちづくりグランドデザイン・フォーラムでも,石川先生から、水と緑のメッセージをいただきました。私としては、東京の真ん中の新宿にこそ都市の基盤としての水とみどりが必要であると考えており、水辺や緑と触れ合える都市の豊かさを生み出したいと思っています。その実現に向けて、今後環境省に協力をしてまいりたいと考えております。 また、新宿一丁目、二丁目の歩道整備についてですが、本事業は歩行者の安全と住環境の改善を目的として、主に地区内を通行する車両の台数や速度の抑制を行うものでありまして、既に地元の方の声を聞きながら進めています。したがって、水とみどりのプロムナードを目的としたものではありませんが、実施に当たっては地区の特性や周辺の環境にも配慮してまいりたいと考えております。 次に、多摩の山林の植樹運動についてのお尋ねです。 地球温暖化防止の取り組みの中で森林資源の保全は重要な手法の一つです。特に多摩の緑は23区にとって最も身近な自然に親しめる緑として貴重なものであると認識しています。しかしながら、多摩の緑の再生については、第一義的には地元自治体の問題であり、広域的には国や都が支援すべき問題であると思います。環境学習情報センターでは、既に国際的な植林事業まで含めた民間やNPOのさまざまな取り組みについての情報提供を行うとともに、自然体験学習の一環としてエコツアー体験「都市の農村の交流」の中で、親子が参加できる植林や枝打ち剪定等の事業を実施しています。今後とも各地の自治体やNPOなどから、多摩の緑を初めとして森林再生などへの協力要請があった場合は、環境学習情報センターを通じ、区民の皆様への情報発信などの協力をしてまいります。 次に、木造建築物の耐震化支援に向けた施策のさらなる充実についてのお尋ねです。 施策の第一歩である予備診断については、区職員が直接区民のお宅に伺い、相談を受けながら実施をしています。相談件数も現在は100件を超えている状況です。そのような状況を受け、建築課では現在、課を挙げて対応しています。 また、今後は、今年度製作した耐震化の重要性を訴えるビデオやDVDを活用して、区民の意識啓発をより一層図り、利用を促していきます。このため、今後も利用者の増加が見込まれますので、体制、制度の充実に向け検討してまいります。 次に、危険度の高い地域に重点的に家屋の耐震、不燃化などの補強の呼びかけをすべきとのお尋ねですが、確かに区内には老朽家屋が密集した危険度の高い地域が存在しています。今後、区としては、このような地域に重点を置いて積極的に出向き、町会等を通じ、今年度製作した啓発ビデオやDVDを活用して、区民に対して効果的に耐震化の重要性を訴えてまいります。 最後に、新宿区地域防災計画の見直しについてです。 現在の地域防災計画は、平成9年の東京における直下地震に関する被害想定調査の結果を主な指標として作成されています。防災計画は、毎年検討を加え必要な修正を行ってまいりましたが、御指摘の新潟県中越地震並びに首都直下地震対策専門調査の報告を見ますと、計画の前提条件である地震被害想定から見直す必要が生じています。 新宿区防災会議におきまして、専門の方々の御意見もいただきながら十分な検討を行って、新宿区地域防災計画の見直しを行います。 以上で私の答弁を終わります。
    ◎教育長(金子良江) 教育委員会への御質問にお答えします。 まず、旧遠藤邸に関する調査についての質問でございます。 教育委員会では、昨年12月3日に緊急調査を実施し、大正末から昭和10年代中ごろまでの建造であること、旧前田邸の痕跡は見られないこと、材料、仕上げともに多額の経費をかけた非常に丁寧なつくりの建物であるとの調査結果をまとめており、御質問の専門家の方の調査結果と同じものと考えております。 その後も、建造年代、旧前田家とのかかわりについては、資料収集を継続しておりますが、現状では新たな資料、情報を得ることが難しいと考えています。 家屋については、既に詳細な写真と平面図を作成しておりますが、今後、所有者の方の御協力が得られれば、その成果を記録として取りまとめたいと考えております。 次に、玉川上水の文化財としての価値と新宿音頭に関する御質問です。 御指摘のように、玉川上水は、羽村取水口から四谷大木戸までのうち下流域の暗渠を除いた部分が平成15年に国指定史跡になっています。 玉川上水の流れの復活は、上水の重要拠点であった新宿の歴史を区民が改めて認識するきっかけとなり、四谷の水番屋や玉川上水記念碑などの地域の特色を物語る文化財の価値をより高めるものと考えております。 また新宿音頭は、これまで十分な調査がなされておりません。このため、鮎担ぎ唄を含め、今後歌詞等の記録調査を行ってまいります。 御苑100周年等と合わせた新宿音頭の普及については、今後の課題とさせていただきます。 次に、山林や里山での植林について、自然体験学習として取り組んではどうかとのお尋ねです。 教育委員会では、これまでも地域のさまざまな学習団体などと連携し、農業体験やキャンプなどの自然体験事業を実施し、子どもたちがみずから考え行動する能力の育成に努めてきたところです。 お尋ねに関してですが、次代を担う子どもたちにとり、地球環境という大きなテーマを具体的な活動を通して身近な問題として体験することは、生きる力を身につける観点からも重要なことです。教育委員会としては、環境学習情報センターや関連自治体などからの情報収集に努めながら、植林を含めた多様で創造的なメニューの中で、新宿区の子どもたちにとって望ましい自然体験学習を提供できるよう、区民と協働して取り組んでまいります。 次に、スポーツ施設の指定管理者についてです。 御指摘のとおり、指定管理者制度の導入の目的は、民間事業者のノウハウを活用することにより、多様化する住民ニーズにより効果的、効率的に対応し、住民サービスの向上を図ることにあります。スポーツ施設には、平成18年4月からの導入を予定し準備を進めているところです。 利用料金については、上限額を条例で定め、その範囲内で指定管理者教育委員会の承認を経て、具体的に定めることとなります。 少年団体の利用については、御質問の趣旨を踏まえて検討してまいります。 以上で私の答弁を終わります。 ◆9番(根本二郎) 自席より発言します。 この後、予算特別委員会が持たれますから、詳細は同僚の議員にゆだねたいというふうに思いますけれども、下落合四丁目の件についてはこれはもう待ったなしでして、25日から門を壊して、28日から家屋の解体に入りますという話を区長にもお願いしたり、それから事業者にもお願いして、やっととまっているところなわけです。それで、今の御答弁を聞きながら、自分でも質問しながら、例えば民有地ですから、民有地の価値はだれもわからないんですね。ですから、大正期から昭和期の遺構というのは中に入ってみた人しかわからないと。何人中に入ったかといったら1人か2しか入っていないということですから、失ってみなければわからないというか、あるいは価値のわからないうちに失ってしまうということが一番の心配なんですね。僕は、それを内藤町で経験したわけです。我々が行ったら、いっぱいあったはずのケヤキや桜の木がなくなっちゃったと。1本だけあって、この1本も民有地ですから、いつ切られるかわからないという話なのです。 ですから、そういう民有地を買い取るというか、民有地の評価ができるようなシステムがふだんにないと、建築紛争やったから公園にしてくれということと、歴史的建造物を区で買ってくれということとは意味が違う。その判断なんかができるようなシステムを、さっきみどりの基金とトラストの要綱整備をしますということですけれども、ぜひそのような恒常的にこの緑は大事だとかこの建物は大事だということが判断できて、これは買わない、これは買うというような、そういうようなことなんかが判断できるシステムをぜひつくっていただきたいというか、そんなことも含めて現地はあせっているわけですね。ですから、最大限自分たちで歴史的文化的価値を調査しようとやっていますけれども、しょせん限度がある、お金がないわけですから。 ですから、ぜひそんな思いも含めて、下落合四丁目はぜひ同僚の議員の皆さんにも中に入って建物のはりを見ていただいたり庭園を見ていただくと、多分考え方が変わるというか、えっというふうに思うと思いますので、ぜひ区当局だけじゃなくて同僚の皆さんの御支援もお願いしたいということを申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(山添巖) ここで、議事進行の都合により15分間休憩します。 △休憩 午後5時34分 -------------------------------------- △再開 午後5時51分 ○議長(山添巖) ただいまから、会議を再開します。 質問を続行します。 7番志田雄一郎議員。     〔7番 志田雄一郎議員登壇、拍手〕 ◆7番(志田雄一郎) 平成17年第1回新宿区議会定例会に当たり、私は民主党新宿区議会議員団を代表して、区長並びに教育委員会に質問をいたします。 最初に、治安対策についてお伺いいたします。 昨年12月に平成16年度の新宿区民意識調査結果が発表されました。この中で「現在の新宿区のイメージカラーは」という質問には「灰色」との回答が一番多く、「新宿区の雰囲気は」という質問には「にぎわいのあるまち」、「便利なまち」との回答がある一方で「騒々しいまち」、「危険なまち」、「ごちゃごちゃしたまち」という回答が上位を占め、区民が不安や不快感を感じていることが明らかになりました。 このことをあらわすかのように、防犯地域安全対策が2年連続で施策への要望の第1位になりました。新宿区では、新宿区民の安全・安心の推進に関する条例に基づく重点地区への支援等として、来年度も241万6,000円を計上し、指定重点地区10地区を指定して、ステッカー、団体活動用ジャンパー、周知用チラシを配布し、住民が主体的に積極的に活動できるよう支援体制をとっています。 東京都では、地域における防犯ボランティア団体の結成促進並びに防犯ボランティアの活性化を図るため、全国初の実践型防犯ボランティアリーダー養成講座である東京都安全・安心まちづくりアカデミーという講座を昨年2回開催し、各区市町村に受講生の推薦依頼をし、新宿区の場合は指定重点地区の団体あてに推薦依頼の文書を出して受講生を募り、昨年2回の開催で、新宿区からは9名が参加したそうです。 渋谷区では、これの渋谷区版とも言うべき実践塾という講座を1月に開講し、地域の防犯活動でリーダーとなる人材を養成するそうです。 この内容を少し御紹介させていただきます。 塾長は、犯罪社会学が専門の小宮信夫立正大学助教授、講師は窃盗事件を捜査する警視庁捜査三課のベテラン捜査員や、子どもの安全なまちづくりに取り組むNPO団体である子どもの危険回避研究所の横矢真理所長など、計11名がニューヨーク市の治安回復に効果を上げた割れ窓理論や、常習窃盗犯の手口分析など、理論と実践を交えた講座の後、実際に町を歩いて防犯上の弱点を地図にして安全マップの作成もされたそうです。 初日の1月22日は渋谷区内の渋谷、原宿、代々木の3警察署の生活安全課長が、区内の犯罪発生状況と抑止策を解説し、前述の横矢所長がイラストなどを使って、どういう構造の公園が不審者にとって隠れやすいかなどを説明し、地域で子どもを犯罪から守るための注意点を話したそうです。 今回の講座には、町会やPTA、商店街関係者ら計約50人が3月までに計5日間で約20時間受講し、修了後は渋谷区の自主防犯リーダーに登録されるというものです。 また最近では、地域の24時間の警備体制をしく自治体が数多く見られます。 北区では、これまでの公園巡視員制度を拡充し、24時間体制で地域安全・安心パトロールを4月から始めると発表しました。パトロールは、昼間は警察官OBを10人から16人体制に増員、夜間は民間警備会社に委託し、午後6時から翌朝9時まで専用車で巡回をするようです。 江戸川区でも、2年ほど前より警察のパトカーにそっくりな区専用パトカーによる24時間のパトロールを始めました。昼間は道路監察や違法駐車防止活動等で土木部の職員が巡回し、夜間はやはり民間警備会社に委託をして行います。 また、地域防犯の基点とも言うべき交番は全国で約6,500カ所あり、その何と約40%が空き交番となっています。新宿区内には41カ所の交番があり、そのうち7カ所が空き交番となっています。区長も、東京都や警視庁が構成員である新宿・渋谷・池袋地区治安対策代表者会議において、警察官の増員と空き交番の解消を強く要望したり、さらに都知事や警視庁、総務省及び財務省にも警察官の緊急な増員を要求されました。このように、区長も各関係機関に積極的に働きかけを行っています。 以上のことを踏まえて3点質問をいたします。 ある方から、ただパトロールして巡回しているだけでなく、犯人の心理や手口をこちら側もよく理解した上で活動することがより効果的ではないかとおっしゃった方がいらっしゃいましたが、まさにそのとおりで、何事もやはり敵のことをしっかりと把握することは、作戦を立てるに当たっての初めの一歩ではないかと思います。 確かに東京都の主催で前述のような講座を開催し、地域の防犯ボランティアリーダー養成のための講座を行っているわけですが、各自治体、地域によって環境や状況が異なるわけですから、新宿区としても警察署、地域安全活動に取り組むNPO団体、犯罪社会学が専門の学識経験者等に協力を求め、できれば各特別出張所単位で同様の講座を開催し、より多くの皆さんが地域の治安回復に取り組んでいただけるよう、区として支援するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 2点目の質問は、前述の北区、江戸川区のほかに、世田谷区や板橋区でも何らかの形で地域の24時間の警備体制をしいています。住民の主体的、積極的な活動を側面から支援するだけでなく、新宿区も同時に主体的、積極的に行動するべきと考えます。御見解をお聞かせください。 3点目の質問ですが、東京都は警察官を300人増員し、さらに退職警察官の交番相談員を390人増員すると聞いています。先ほど、新宿区内には7カ所の空き交番があると申し上げましたが、この7か所のうち西新宿三丁目、成子坂、北新宿一丁目、新宿六丁目の各交番は、昼間は交番相談員を配置し、夜間はハイテク交番として交番に入ってきた人をセンサーで感知し、テレビ電話によって警察官に用件を伝えられる機器を設置しました。 また、大京町交番は常時ハイテク交番となっており、パトロールカーや警察署員が巡回警戒を実施、高田馬場四丁目、中落合の各交番はともに昼間は警察官が配置されていますが、夜間は不在でやはりパトロールカーや警察署員が巡回警戒を行っています。 しかし、いざというときに助けを求めに行っても、そこにあったのはテレビ電話では、それに対応するのが難しい人もいるのではないでしょうか。地域の最も身近な生活安全センターとしての役割を持つ交番には、やはり24時間人がいてこそその役割を果たせるのです。来年度は、すべての交番に警察官が配置されるでしょうか。一日も早く空き交番ゼロを果たし、区民の不安を少しでも取り除いていただきますようお願いいたします。 次に、地域密着型バスについてお伺いいたします。 来年度予算案に、地域活性化につながるバス路線の開設及び運行事業者の参入促進を図るための調査、検討として439万3,000円が計上されました。これについては、平成10年に新宿区コミュニティバス運行に関する陳情が区議会で採択され、翌11年から地域密着型バス検討委員会を設置し、約2年間にわたってさまざまな角度から調査、検討が行われました。 その結果、効率的な運営が可能な民間事業者による運行が望ましく、新宿区はバス事業者にとって需要が高い地域と言われていることから、事業者に積極的にPRを行うというもので、14年3月には、ケイビーバスが名乗りを上げ、高田馬場駅から東中野駅を結ぶ路線が実現しました。 また、15年4月から運行を開始した京王バスの新宿駅西口を発着点とする新都心循環については、利用者の増加に伴い路線の拡大を検討しているそうです。 都市計画部の話では、今回の調査、検討では、伊勢丹や高島屋、新宿御苑や歌舞伎町、都庁など、主に新宿駅周辺の繁華街にねらいを定め、約1年をかけて行うそうです。 23区内でも地域密着型バスは、千代田区、港区、台東区、江東区、世田谷区、渋谷区、杉並区、練馬区、足立区、葛飾区の10区で運行されています。 私も、昨年10月に運行開始した港区の「ちいばす」に実際に乗ってみました。六本木ヒルズを中心に、赤坂ルートと田町ルートの2路線あり、港区内を南北に網羅しています。 台東区の「めぐりん」も、13年6月に区内北部地域の運行を開始し、昨年4月には南部地域の運行も開始され、区内全域に拡大されました。 4年前に作成された地域密着型バス検討委員会報告書では、「高齢化が進展する中で公共交通機関を利用して外出は可能であるが、長距離の歩行や地下鉄の階段の昇降に不便を感じる交通制約者の視点から検討が必要と考えた。社会の高齢化が着実に進展している中で、高齢者や障害を持つ人の社会参加や就労の機会を充実し、生きがいを持って生活と社会活動を続けられることが求められており、それに伴う移動を支える、より利用しやすい公共交通機関に対する期待が高まっている。」となっています。 以上のことを踏まえ、2点質問をいたします。 1点目は、新宿区としてはこの事業に対して、一般財源を投入することは後ろ向きのようです。しかし、都営バス路線の一部廃止、縮小が行われて、特に高齢者の方から、バスが走っていたときはよく買い物やお芝居を見に出かけたけれども、今じゃ地下鉄に乗らなければならないので、ほとんど外に出かけなくなった。ただじゃなくていい、100円でも200円でも有料でいいから何としても早くバスを走らせてと、本当に多くの方が切実に訴えています。同様の訴えは、障害者の方や小さい子ども連れの方からも上がっています。 私は、ぜひ一般財源の投入を前向きにお考えいただき、区民の利便性の向上と高齢者や障害者の健康維持と生きがいを持って生活と社会活動を続けられるよう、一刻も早く取り組んでいただきたいと思っていますが、区長のお考えをお聞かせください。 2点目の質問は、もし一般財源の投入がどうしても難しいのであるなら、これは私が平成15年第1回定例会の代表質問とその後の予算特別委員会でも提案申し上げたことですが、広告物収入を活用してはいかがでしょうか。パリのシャンゼリゼ通りのバス停の一部には広告物がついており、この収入でバス停の施設整備や維持管理、それに附帯するごみ箱やベンチ、燃料費、運転手の人件費を広告物収入で賄っています。さらに、バスの車体にも広告をつけ、都営バスのようなラッピングバスのようにすれば、収益もアップするのではないでしょうか。御見解をお聞かせください。 次に、学校の防犯体制についてお伺いいたします。 今月14日に、大阪府寝屋川市の中央小学校に刃物を持った少年が乱入し、教職員3人を殺傷した事件は、改めて学校の危機管理に新たな課題を突きつけました。 学校現場では、池田小学校の児童殺傷事件以来、不審者の侵入を防ぐさまざまな対策を講じてきましたが、今回の事件は、それでも犯罪を企てる人間が校舎の中に入ってくるのを完全には排除できない現実を示しました。 文部科学省が昨年夏、全国の幼稚園、小・中・高校などを対象にした調査では、45%が監視用防犯カメラやセンサーなどを設置しており、中央小学校でも、昨年2カ所の門に防犯カメラを設置していました。 池田小学校の事件では、来校者に対する教員の声かけが不十分だったことが問題になりましたが、中央小学校では、殺害された教諭がマニュアルどおり少年に声をかけており、日ごろ学校全体でも警察を交えた訓練も行っていたといいます。 不審者侵入時のマニュアルは、区独自のものか文部科学省のものか東京都のものか、差はあるもののほとんどの区で配布されています。これが実際にきちんと運用されているか、訓練は実践的に行われているかを検証する必要があります。 23区の小・中学校の防犯体制はさまざまで、正門の施錠は多くの区で行われており、かぎをかけていない場合も、出入り口は1カ所にするなどして対応しています。差が出たのは監視カメラの設置で、千代田区、中央区、港区、渋谷区、葛飾区の5区では、既に全小・中学校に設置されている一方で、監視カメラのモニターを常時確認していることが難しいなどの理由で、文京区、台東区、墨田区、江東区、目黒区、江戸川区の6区が導入していません。 各教室と校内の連絡方法では、教室に防犯ブザーやインターホンの設置、教員が防犯ブザーを携帯したり校内電話を設置するなどの対応をしています。 杉並区は、昨年9月の補正予算に区立全44小学校への緊急通報システム設置を盛り込み、また練馬区も、来年度予算案に区立全小学校に緊急通報用インターホンの設置工事費約8,000万円を計上しました。 このように、特に池田小学校の事件以来、全国の学校において不法侵入者から幼児・児童・生徒・教職員をどう守るのか、校内に入るのをどう防ぐのか、教職員は不法侵入者とどう対応すればいいのかということなどでさまざまな対策を講じてきました。しかし、再び事件は起こってしまったのです。 先日、文教委員会委員あてに、今回の事件を踏まえた教育委員会としての取り組みが発表されました。これによると、教職員、PTA、地域の方々、警察と協力し、幼児・児童・生徒の安全確保及び学校安全管理を強化する、また防犯用催涙スプレーと防犯用特殊警棒を配布し、被害を最小限に食いとめるというものでした。 渋谷区では、すべての区立小学校20校に警備員を常駐させることを決め、来年度予算案に民間警備会社への委託費約6,700万円を計上しました。 また、大田区立田園調布小学校では、PTAが独自に民間警備会社に警備を委託することを決めました。全児童の世帯から年間5,000円を一律に徴収し、費用に充てるということです。 このように、校舎の外で水際で子どもたちや教職員を守るため警備員の配置を行う学校が各地でふえ始めています。 以上のことを踏まえ、2点質問をいたします。 1点目は、教育委員会としても従来より各学校、幼稚園において幼児・児童・生徒の安全確保のための防災・防犯両方のマニュアルを作成し、池田小学校の事件を受け、各学校や幼稚園に安全管理マニュアルの基本モデルを示し、不法侵入者に対する安全管理体制の充実を図るよう指導、助言をされていることと思いますが、こういったマニュアル、指導、助言に対して、各学校や幼稚園ではきちんと運用されているのか、訓練は実践的に行われているかのチェックは教育委員会としてどの程度行っていますか。 千代田区では、教育委員会が抜き打ちでチェックを行い、不十分な学校には厳しく指導し、また品川区、杉並区、練馬区では、指導主事が学校訪問する際に、教職員が自分たちに身元確認の声をかけてくるかということをチェックしているそうです。マニュアルというのは、必要最低限のことです。その最低限のことがしっかりと守られていなければどうしようもありません。御苦労かと思いますが、指導に対する入念なチェックをお願いいたします。 次に、2点目の質問です。 従前どおり、教職員、PTA、地域の方々、警察に引き続き協力を求め、監視カメラや防犯ブザー、インターホン、校内電話等の機器も活用するのとあわせ、やはり専門の人を配置し、水際で子どもたちや教職員を守ることを考えるときではないでしょうか。 前述の渋谷区では、民間警備会社から派遣された警備員が各小学校に1人ずつ配置され、午前7時から午後4時まで、校門横にボックスを設置し不審者の警戒に当たります。池田小学校の事件以来、同区でも、全区立幼稚園と小・中学校に警察署直通の通報装置や防犯カメラを設置したほか、全生徒・児童に防犯ベルを携帯させるなどして、安全対策を講じてきましたが、しかし保護者や学校長から、より確実な安全対策として制服警備員配置の要望が多く寄せられたそうです。新宿区教育委員会にはこのような要望は寄せられていないでしょうか。 本来は、カメラもブザーもインターホンも校内電話も、催涙スプレーも警棒も、そして警備員の配置もない学校がいいに決まっています。しかし、残念ながらこういった事件が再び起こってしまった以上は、やはりもう一歩踏み込んだ学校の防犯体制を講ずるべきと考えますが、御見解をお聞かせください。 以上で終わります。ありがとうございました。(拍手) ◎区長(中山弘子) 志田議員の御質問にお答えいたします。 最初に、治安対策についての御質問です。 安全・安心活動は、それぞれの地域の特性に合った活動が最も効果的であると考えています。そのため、区はこれまで特別出張所の「地域を守る安全会議」や「子どもを守るネットワーク」などで、警察署の協力を得て防犯の講座等を実施しています。今後も、東京都の防犯リーダー養成講座に受講生を派遣するとともに、地域の要望を伺いながら地域の安全確保のための対策を積極的に展開してまいります。 次に、区が主体的に警備体制を整えて行動することについてですが、区内の刑法犯の犯罪発生件数は前年に比して2,079件、率にして13.6%減少し、23区の平均減少率7.5%を大きく上回っています。これは、地域の皆さんが自分たちのまちは自分たちで守るという考えのもとに地域安全活動を積極的に行ってきたこと、そして警察や区が一体となって防犯活動に取り組んできたことが大きく影響していると思います。今後も、区が主体となって警備を行うのではなく、防犯パトロールマニュアルを地域活動団体に配布するなど、地域の主体的な安全活動を積極的に支援するとともに、警察等と連携を密にすることにより、犯罪のない安全・安心なまちづくりを推進してまいります。 次に、区内の空き交番の解消についてのお尋ねです。 警視庁では、来年度、全体で480名の警察官を増員すると聞いています。また、交番相談員も350名採用すると聞いています。これにより、空き交番の解消を期待しているところですが、今後も警視庁本部を初めとして、区内の4警察署に対して積極的に空き交番の解消に努めるよう強く要請していきます。 最後に、地域密着型バスについてのお尋ねです。 地域密着型バスにつきましては、地域密着型バス検討委員会の報告のとおり、乗合バス事業への一般財源投入は困難であるところから、区はバス事業者の新規参入を働きかけてまいりました。その結果、平成14年3月に新規路線を1路線開設することができました。しかしながら、その後路線が拡大していませんので再検討が必要と認識しています。 その再検討に当たっては、単に事業採算性を検討するだけでなく、さらに踏み込んでバス路線周辺の企業、商店街などとの協力を引き出すべく、区が積極的にコーディネートすることにより、一層事業者の参入が実効性のあるものになるよう調整を進めてまいります。 また、バスの新規路線を開設していくためには、さまざまな資源を活用して事業採算性を向上させることは重要な課題と認識しておりますので、広告物収入の活用について十分検討してまいります。 私の答弁は以上で終わります。 ◎教育長(金子良江) 教育委員会に対する御質問にお答えいたします。 まず、各学校の不法侵入者に対する防犯体制のチェックについてのお尋ねですが、現在、区立学校では安全管理マニュアルにより、所轄警察と連携した不法侵入者に対する実践的な防犯訓練を全校で実施しています。子どもたちや教職員の身を守るためには、こうした実践的な防犯訓練を繰り返し実施し、結果を検証していくことが最も大切なことと認識しております。 教育委員会では、今後も訓練の検証結果や施設事情、職員体制を踏まえた各校のマニュアルの点検や改善に主眼を置いて定期的に報告を求め、学校訪問時の指導を通して学校安全管理の充実や学校への支援に取り組んでまいります。 次に、区立学校への制服警備員の配置についてのお尋ねです。 これまで以上に学校職員一人ひとりが防犯意識を高め、危機を回避する全校体制の確立、強化が急務と痛感しています。区内各学校では、今回の事件を踏まえ、現状の危機管理体制を再度点検し、来校者の受付体制の強化や校内外の巡回を行っているところです。 さらに、有事の際に教職員全体で危機を回避するための実践的な訓練や対策を講じてまいります。 また、現在、校長会等から出ている要望も踏まえ、教育活動中の安全確保と防犯機能をより充実し、強化するための施設面や物的支援方策について今後早急に検討していきます。 一方、学校の安全管理は校内対策だけでは万全とは言えません。教育委員会は、地域ぐるみで学校の安全管理対策が講じられるよう、区長部局や警察署、スクールサポーターなどの関係機関とより一層連携を強化してまいります。 以上で私の答弁を終わります。 ◆7番(志田雄一郎) 区長、教育長、御答弁ありがとうございました。 1点、空き交番のことなんですが、どうも警視庁は、先ほど申し上げたハイテク交番というのは空き交番という位置づけはどうもしていないみたいなんです。ただ、普通一般論で言えば、そこにやっぱり警察官がいなければ人がいなければそこは当然ながら間違いなく空き交番ですので、その解消に向けてぜひ区長もさらに関係機関に働きかけを行っていただきたいというふうに思います。 あとは、予算特別委員会には我が会派からは先輩議員2人が出させていただく予定になっておりますので、そちらにお願いをいたします。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(山添巖) 次に、38番山田敏行議員。     〔38番 山田敏行議員登壇、拍手〕 ◆38番(山田敏行) 私は、社会新宿区議会議員団を代表して、区長と教育委員会に質問をいたします。 ことしは日本が戦争に敗れてから60年目、人間でいうと還暦に当たります。権益の保護とか国体護持とかいう全く得体の知れない名目のもとで、アジアのほぼ全域を舞台に殺りくの限りが尽くされたあの戦争の後、その無比の遺産として、あるいはさらには恒久の平和を願う決意の象徴として誕生した憲法と教育基本法は、今改定を求める大きなうねりの矢面に立たされております。 私は常々、日本が先進国として世界に誇るべきものがあるとするならば、それは何はさておき、まず第9条を持つ憲法だと思っておりますけれども、今その憲法や教育基本法を守り抜く闘いの現場に居合わせていることの意義をきちんと受けとめて、与えられた任務を果たし、後世から指弾を受けることのないように、考えを同じくする皆さんとともに全力を挙げて闘っていきたい、こういうふうに決意を新たにしているところであります。     〔「よし、頑張れ」と呼ぶ者あり〕 さて質問の第1は、都区制度改革に関する協議についてであります。 東京23区の積年の悲願であった2000年4月の都区制度改革から5年が経過をしました。この5年間に競い合うようにして23区から発せられた自立性を求め、独自性を求め、自主性を求めるさまざまな動きは、地域自治の確立を目指す自治体としての強い決意のあらわれであり、かつての特別区とは隔世の感があるのであります。 しかし、5年前の都区制度改革には、冊子の題名にもなっているように「未完の改革」という側面が残りました。言うならば、飛翔しようとする龍に瞳を書き入れる重大な作業が残されたままだということであります。 2006年の新たな見直しを間近に控えた今、都区協議が進められておりますけれども、刻々と過ぎる時間に比例して協議が順調に進展しているという、そういう状態ではありません。これまでも幾つかの課題で都区協議は時間切れになり、結果的には東京都に押し切られたという苦い経験が特別区側にはあります。その轍を踏んではならないというふうに私は思っております。 これから正念場を迎える協議は、首都における都区がどのような役割を担うべきかという論理的整理の必要性は強調されながらも、お互いの財政にとってプラスかマイナスかという実利が前面に出た話し合いにならざるを得ないというふうに思います。そういう性格を有する協議は、言うならば東京都と特別区の闘いであります。私たちは今自治体の命運をかけた、引くに引けない闘いのその場にいるのであります。 こうした観点から、これまでの都区の協議を見てみると、特別区側の闘いの構えや陣形がこれでいいのかというふうに私は思わざるを得ません。 例えば新宿区の今後にも大きな影響を与えるこの問題について、区長は基本方針説明で一言も言及しておりません。したがって、区長の決意がどこにあるのか全然わからないのであります。 また、区民生活にも深くかかわるこの問題について、区民にはほとんど情報が提供されていないのであります。したがって、区民は、らち外に置かれておりますし、知らないのだから正当な是非の判断ができる、そういう立場にはありません。 東京都サイドからは、これは非公式な話でありますけれども、話し合いを進めた結果まとまらなかったらそれはそれでやむを得ないなどというような、そういう声も既に伝わってきております。私も、話し合いの回数だけは積み重なっても解決の行方は定まらず、そのうちに時間切れになって根本的な解決は先送りされるという状況になりはしないかということを懸念をしております。 東京都は、それでも何の痛痒も感じないのかもしれませんけれども、特別区としては全く不本意な結末であります。そういう最悪の結果を避けるためにも、私はこの段階で特別区側に新たな決意と対応が求められている、こういうふうに考えております。 このような考えから、まず次の3点について区長にお聞きをいたします。 第1は、主要5課題、特に大都市事務検討会のこれまでの協議についてどういう評価をしておられるか、また現時点での見通しについて区長はどういうふうに考えているか。 第2は、協議の進展状況や問題の所在、すなわち東京都の見解と特別区の見解は何がどう違うのか。特別区としてその違いをどうしようとしているのか、こういうことを広く区民に周知すべきではないかということであります。私は、新宿区はもちろんのこと、23区一斉にこれを実施すべきだというふうに考えておりますけれども、区長はいかがお考えでしょうか。 第3は、特別区側の要求を実現するために、新宿区独自で、あるいは23区共同で行政と区民、議会が一体になった取り組みや対応が今こそ必要だというふうに考えておりますけれども、区長の御見解をお伺いいたします。 特別区制度改革についてもう一つお伺いしたいことは、特別区制度調査会が発表した中間の取りまとめについてであります。2000年の都区制度改革は、特別区が基礎的自治体になるなど重大な改革でしたが、一方では、依然として特別地方公共団体として位置づけられ、財政調整制度が残るなど、中途半端な側面を残す改革で終わりました。 特別区制度調査会は、区長会の依頼を受けて将来の特別区の制度的なあり方について検討する任務を帯びて発足し、そのそうそうたるメンバーが1年以上にわたって検討したその成果を、このほど中間のまとめとして発表しました。 かつて新宿区の山本区長が区長会の会長をしていた時代に、区長会の諮問機関が特例市構想という考えを示したことがあります。御存じの方もいらっしゃると思います。この構想は、特別区を普通地方公共団体にする。区を市に改め、現行の財政調整制度を廃止し、特例市相互間で新たな財政調整の仕組みを設ける、こういうことを骨子にしております。この提言は、今でも特別区の有力なあり方を示すものとして評価されております。私も評価しています。 私は、特別区制度調査会が特例市構想のような肉太の構想を描いてくれる、そのことを期待をしていたわけでありますけれども、中間の取りまとめを見る限り、ここには残念ながらはその片りんもなく、とても特別区の将来像をここから読み取れるような内容にはなっていないのであります。区長はこれをどういうふうに受けとめているかということをお聞きすると同時に、この中間のまとめを区長会としてどう取り扱うのか、またこの秋の最終答申に向けて区長会はこの調査会に何を求めていこうとするのかということをお伺いをいたします。 質問の第2は、第四次実施計画でキーワードの一つして位置づけられた「参画」についてであります。 今、全国の多くの自治体で「共生」や「協働」、「参加」や「参画」ということが盛んに強調されております。その一つ一つの意味合いにはそれぞれ微妙な違いがあるはずでありますけれども、それぞれ若干の違いがあったにしろ、これらは地方自治体が目指す重要な方向性を示す言葉として時代の流れを映し出しているものだというふうに感じております。 新宿区においても、第四次実施計画では、参画が計画のキーワードとして格上げされたような形で位置づけられました。新宿区の計画で強調されていることは、あらゆる区政の局面へ区民の参画を進め、さらに参画システムの構築をするということであります。私は、情報公開と住民参加の徹底は、自治発展の原点をなすものだというふうに考えております。今回、参画の具体的な形としては、基本構想の新宿区民会議と出張所別につくられる地区協議会という組織などがつくられます。私は、区民にこのような参画の場が提供されることを大いに評価するとともに、新宿区において住民参加がますます拡大し、成熟した状態になることを願っているところです。 しかし、区民が参加した組織がつくられるというそのことによって必ずしも新宿区に参画のシステムが確立されたということにはなりません。さまざまな組織への参加は個別的であります。 一方、区政全体に対する参加システムを構築するということは、普遍的な原則を制度化するということであります。住民参加によって新宿区が新たな都市型コミュニティの構築を図るというならば、普遍的な参加の制度を構築するというそういう対応が必要だというふうに私は思っております。 私たちは、区政のあらゆる分野に住民参加を制度として保障する住民参加条例の制定をこれまでも何回かにわたって提言をしてまいりましたけれども、区長は、現時点でそれについてはどういうふうに考えているのか、お聞きをいたします。 さらに、行財政改革推進会議の提言でも指摘されていることは、事業評価、行政評価への住民参加が不十分であるということであります。新宿区においては、事業評価、行政評価そのものは非常に先進的に行われてきたし、何回かの改善によって評価の精度も高まっているというふうに私は思っております。しかし、評価委員会の評価の視点が、事業によっては住民の感覚とずれているのではないかという指摘もされてきたところであります。そういう点では、住民参加による評価のシステムづくりが不可欠だというふうに考えますけれども、御見解をお聞かせいただきたいと存じます。 この項の最後の質問は、職員の主体的な参加とも言うべき庁内分権についてであります。 予算編成過程の情報公開が行われております。予算編成に関しては、区長に対して各部長が直接要求内容をプレゼンテーションするということで、区長と部長が予算要求の内容について直接議論を闘わせる場面も想定され、したがって、戦々恐々としている部長もいるというふうに新聞で報道されたりしておりますけれども、このようなプレゼンテーションやアクション04事業の拡大などを通して、庁内分権は私は着実に進展しているというふうに思いますけれども、このことについて区長の評価をお聞きいたします。 また、職員が意識の高揚を図り、より責任ある区政の担い手としてその存在感を高めていくためには、事業部制の導入は不可欠な手法だというふうに考えておりますけれども、これについてはどういうふうにお考えか、お答えください。 質問の第3は、新宿区都市マスタープランの策定についであります。 基本構想の見直しや基本計画の策定にあわせて、この際、新宿区都市マスタープランもつくり直すとして一定のスケジュールが示されております。現在の都市マスタープランが作成されたのは1996年であります。基本構想を踏まえて、新宿の21世紀のまちづくりを進めるという観点で、2010年から2015年を展望してつくられたものであり、以来、新宿のまちづくりの基本指針としての役割を帯びてきた、そういう計画です。 しかし、まちづくりの支援母体として位置づけられた都市整備公社は既になくなったり、たび重なる法改正やまちづくりに対する財政支援の不足、インセンティブの欠如による住民自身の熱意の低迷などで、この都市マスタープランそのものが社会情勢の変化に合わない面が出てきておるのも事実です。したがって、このたび、基本構想の見直しや基本計画の策定にあわせて都市マスタープランについても改定を加えるのは至当だというふうに私は考えます。 ただ、私は新しく策定するに当たっては、その前提として明確にすべき幾つかのポイントがあるというふうに考えます。 それは、この都市マスタープランによるこれまでの新宿のまちづくりの成果がどうであったかという、そういうことに対する検証であります。すなわち、新宿区としてこれまでのまちづくりの総括をする必要があるということであります。とりわけ大事なことは、この都市マスタープランでは果たし得なかったことを明確にし、その教訓を新しいプランに生かしていくことが大切だということです。 例えば今、先ほどもお話がありましたけれども、下落合四丁目の緑を守ろうということで、画期的なトラスト運動が展開されております。開発業者は、ここにある歴史的建造物を取り壊し、地域の良好な景観を形づくってきた貴重な樹木を伐採して集合住宅をつくるという、そういう計画であります。 この地区は、都市マスタープランでは、とりわけ緑を保全する地区になっているのであります。しかし、緑が奪われ、樹木が伐採されるという最も危機的なこのときに、緑の保全を高らかにうたっている都市マスタープランが有効に作用し、乱開発を阻止するために発動するのかというと、突然現実の前で沈黙をしているのであります。 数年前、これは前区長の時代でありますけれども、私が住んでいる四谷地区の外苑東通りに25階の高層マンションの計画が持ち上がりました。この通りは、都市マスタープランでは歩道の景観整備や緑化を推進し、町の景観に配慮した整備を誘導する、そういう地域になっております。10階建て前後の建物がそれなりの姿で軒を並べるその通りに、その2倍半もの建物を建設するという計画は、だれがどう考えても景観に配慮したまちづくりということにはならないはずであります。     〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕 したがって、区は都市マスタープランの考えを受けて、突出した25階の構想マンションの建築計画については見直しを迫るものというふうに私は考えておりましたけれども、東京都からの意見照会を受けた新宿区は、こともあろうに都市マスタープランに合致するという、そういうお墨つきを付した区長意見を提出をしたのであります。 このような例を見てみると、果たして都市マスタープランというのは新宿のまちづくりにとってどのような役割を持っているのかということに不安になってまいります。緑や景観や公園などの個別計画の上位の基本方針として,一定の役割を果たしてきたことは否定はしませんけれども、肝心な場合には無力化する、時には逆作用になったり敵前逃亡のような実態を呈するということでは、信頼が生まれようはずがありません。 したがって、新しい都市マスタープランを立案するためには、ほぼ10年間にわたる現在の都市マスタープランの実効性、有効性についての総括が不可欠であります。新しいマスタープランは、その総括を受けとめ、そこでの教訓を生かされたものでなければならないというふうに私は考えますけれども、区長の御見解をお聞かせください。 次に、まちづくり懇談会とさまざまな都市計画との関連についてお伺いをいたします。 私は、まちづくり懇談会は、その名前が示すように新宿のまちづくりについて各界の意見を聞く区長の私的機関のようなそういう組織だというふうに考えておりました。しかし、この間提出されている資料などによると、まちづくり懇談会の議論がまちづくりグランドデザインを策定するその基礎になり、そのグランドデザインはおおむね30年後を展望した新宿のまちづくりのビジョンであり、そのビジョンは10年から15年を期間とした都市マスタープランの基礎になるというふうに位置づけられているのであります。 このとおりだとすると、まちづくり懇談会は単なる私的機関ではなくて、区政に大きな影響を与える極めて重要な役割を持った組織ということになります。まちづくり懇談会が、今指摘したような性格の組織であるならば、その組織的な性格の是非やよって立つ根拠、成果の取り扱い、いわゆるグランドデザインとこれから見直す基本構想や都市マスタープランとの関連性などについてきちんと検証をしていく必要があるというふうに思います。 そこで、この際改めてまちづくり懇談会の組織的な性格や目的、ここでの成果と基本構想や都市マスタープランとの関連性についてお答えをいただきたいと存じます。 最後に、東京都教育委員会が発した配布文書の制限通知に対する新宿区教育委員会の考え方についてお伺いをいたします。 いわゆる国旗掲揚・国歌斉唱の強制を迫る東京都教育委員会の暴走は、園遊会における実にみっともない発言なども飛び出したりしてやむことを知りませんけれども、さらに昨年12月10日には、思想信条や表現の自由に抵触するような新たな通知が東京都教育委員会から発せられております。「学校から児童・生徒及び保護者に配布する文書の取り扱いについて」というものであります。 この通知では、配布物についてはすべて校長が責任を負うとし、校長が決定または承認していない文書は、児童・生徒及び保護者に配布してはならないと述べて、厳しく配布文書を制限するそういう考え方を示しております。東京都教育委員会はついに憲法第21条2項で禁止されている検閲まで踏み込んだとさえ言われている通知であります。学校の管理や運営は管理者である校長が基本的に責任を負うのは当たり前のことでありますけれども、それはあくまでも原則的なことであって、実態的には子どもたちを中心に位置づけて、全教職員、保護者が一体になり相互に協力して初めて実現されるものであります。したがって、校長の独善的、恣意的な判断によって学校運営が容認されるということではありません。 東京都教育委員会が発したこの通知によると、PTAの配布文書もすべて校長の許可が必要だということになっております。例えば教育基本法を読んでみようとか、沖縄修学旅行で知った米軍基地あるいは日の丸・君が代問題について考えるなどといった課題は、現実にPTAの広報紙で取り上げられておりますし、今後も当然取り上げられていい課題だというふうに思いますけれども、これからは、校長の一存でこの種の文書は配布できないということにもなりかねません。さらに、生徒会が発行する文書についても、この通知を楯に検閲まがいのことが起こるというそういうおそれも生じるのであります。 私は、個人の名誉を傷つけるおそれがあるとか、誤解や錯誤に基づく文書ならいざ知らず、それ以外の文書類については、その配布が校長1人の独善的、恣意的な判断にゆだねられるようなことがあってはならないというふうに考えます。 そこで、新宿区教育委員会にお聞きをいたします。 PTAなどのような学校関連の第三者組織が作成する文書については、児童・生徒を通して配布するにしても、校長の判断に配布の是非がゆだねられるようなやり方をすべきではなくて、したがって、私は東京都教育委員会の対応は根本的に間違っているというふうに思っておりますけれども、これについてはどういうふうにお考えでしょうか。 また、新宿区の場合、児童・生徒を通して配布する配布物については、東京都教育委員会の通知のような検閲に結びつくような制約を設けているのかどうか、もし一定の制約を設けているとするならば、その制約はどういう制約で、その理由は何かということについてもお聞かせをいただきたいというふうに思います。 最後に一言申し上げますけれども、東京都教育委員会と区教育委員会は、これは当たり前のことでありますが、それぞれの自治体を代表する独自の組織であります。上下主従の関係はなく、対等、平等な立場にあります。したがって、区教育委員会は評判の悪い東京都教育委員会の動きに歩調を合わせる必要などは毛頭ないのであります。新宿区の教育委員会は、教育長もかわったことでありますから、これからはむしろ異常体質としか言いようがない東京都教育委員会の防波堤として、あらぬ権力や不当な圧力は明確に排除し、独立機関として確固とした姿勢を貫き、新宿の教育行政の発展のために不動の役割を果たしていただきたい、こういうふうに思っているところであります。 このことを新教育長就任のはなむけの言葉として申し上げまして、私の質問は以上で終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ◎区長(中山弘子) 山田議員の御質問にお答えいたします。 初めに、都区財政調整制度の主要5課題のうち、大都市事務検討会についてですが、区側は都に対し、検討の当初より都が特別区の区域を通じて一体的に処理することが必要であると認められる事務、すなわち都が担う大都市事務の内容提示を一貫して求めてまいりました。 これを受け、都は1月18日にようやく大都市事務を提示しましたが、これには政令指定都市や明らかに府県事務と思われるものが含まれているため、区側は、1月末の検討会で地方自治法に則した大都市事務の基本的考え方を改めて述べると同時に、都の提示内容の問題点を指摘したところです。 こうした経緯を踏まえると、これまでの検討に対する都側の姿勢は誠実さに欠けるものと言わざるを得ません。今後、区側としては残された期間ですべての提示事務について分析を加え、区の考え方を示していくこととしています。 次に、主要5課題についての区民への周知についてですが、都区の検討が具体的部分で進展が見られていない状況となっていることから、特別区長会は昨年9月に区民や議会等に向け、主要5課題の周知と解決の方向性を特別区の立場で整理したパンフレットを作成しています。このパンフレットの活用方法は区によって異なっていますが、新宿区としては、特別出張所での配布、町会等を通じての回覧及びホームページの掲載等により、区民への周知に努めたところです。今後、大都市事務を含む3つの検討会では、それぞれの課題についてさらに分析、検討を進める予定となっていますが、平成17年度の早い段階で都区財政調整協議会を開き、平成16年度の検討結果とあわせて協議の進め方についても都区間で検討を加えることが予定されています。したがって、区と区民、議会が一体となった取り組みなどについては、こうした状況の推移を十分に考慮する中で検討していく必要があると考えます。 次に、特別区制度調査会が発表した中間の取りまとめについてのお尋ねです。 私は、現在、地方自治を取り巻く状況が集権から分権へと大きく変化する中で、大都市東京の基礎的自治体である特別区の今後のあり方を検討していくことは大変有意義なことであると認識しています。そして、今後の特別区のあり方を論じていく上で最も重要なことは、いかにして住民自治の拡充を図るかという視点を持つことだと考えています。私は、その意味で、今回の中間の取りまとめは、今後の特別区のあり方に関しての論点整理をしたものと受けとめているところです。 次に、区長会が中間の取りまとめをどのように取り扱うのかということですが、区長会としては、中間の取りまとめにおいて、調査会から指摘をいただいた問題点を踏まえながら、広域自治体である都が特別区の存する区域で担うべき基礎的自治体の事務の実態を早急に明らかにし、新しい都と区の関係を築いて責任を果たすよう都に求めるべく、全力で都との協議に当たってまいります。 そしてまた、今後、最終答申に向けて、これまで東京という大都市を形づくってきた一体性や首都性という意味を今後十分に審議していただくともに、住民自治の拡充を図る観点から、これからの特別区にふさわしい自治制度について提言をお願いしたいと考えています。 次に、区政のあらゆる分野に住民参加を保障するための住民参加条例を制定すべきとのお尋ねです。 今回策定した第四次実施計画では、区民の区政への参画を積極的に進めるために、協働と参画をキーワードに、柔軟で多様な開かれた参画システムの構築を課題の一つとして取り上げたところです。 私は、区政への住民参加を進めていく上で重要なことは、一つ一つの実践の中で住民の参加を求め、地域に根ざした着実な取り組みを重ねていくことであると考えています。御指摘の住民参加条例の制定につきましては、今後進めていく基本構想の見直しや新基本計画の策定にあわせ、自治基本条例のあり方との関係も含め、幅広く区民の方々に御議論いただき、検討していきたいと考えています。 次に、住民参加による評価システムについてのお尋ねです。 区では、公共サービスのあり方を見直していく中で区が行う事業を精査するとともに、その優先度や重点度を評価し、その結果を事業に反映させるため、現在行政評価制度を活用しています。今後、より客観的な区民にもわかりやすい評価手法を検討していく上で、住民参加による行政評価手法も検討していく必要があると考えています。 次に、予算編成過程の情報公開や予算の各部プレゼンテーション等による庁内分権の推進についてのお尋ねです。 平成17年度予算編成では、平成16年度から導入したアクション04事業での各部予算プレゼンテーションを拡大し、新規拡充事業も対象としました。 また、予算編成過程の情報公開への取り組みを通し、区政の透明性を一層高めるとともに、各部の説明責任能力の向上も目指しました。アクション04事業は、各部の裁量権の拡大とともに、各部の自主性、自立性を重視する事業構築の仕組みですが、これに加えて各部が創意工夫を凝らして、事業の趣旨や効果等についてわかりやすく説明する機会を充実することにより、予算編成における庁内分権の一層の推進が図られたものと評価をしています。 また、予算編成過程の情報公開は、次年度に予定する事業の目的や概要について可能な限り早い段階から区民に情報を開示することにより、区政の透明性を高めるとともに、区政が区民にわかりやすく身近なものへと転換していくための有意義な一歩になったと考えています。 いずれの取り組みもまだ緒についたばかりであり、さまざまな御意見を踏まえ、工夫と改良を重ねていく必要がありますが、協働と参画の区政を進めるためには、こうした取り組みを広げ、区政の透明性と行政の説明責任能力の一層の向上を図っていくことが極めて重要と考えています。 次に、事業部制の導入についてのお尋ねです。 区が区政の課題に的確にこたえていくためには、各部が所管する施策に関する権限と責任を持って、迅速できめ細やかな事業展開ができる組織体制を構築することが必要です。 そのための一つの手法として、トップマネジメントを支える仕組みとして事業部制の導入について検討することは必要なことだと考えています。事業部制の導入は、各部の経営能力と職員の意欲の向上を図る上で効果的であるほか、各部が所管する施策と事務事業との関連を明確にし、各部が所管事業をその創意と工夫により、責任を持って遂行していく上で有力な手法の一つであると考えているところです。 今後、このような観点から、現在区が進めている庁内分権の方向性を踏まえ、区の実態に合った事業部制のあり方について検討してまいります。 続きまして、新宿区都市マスタープランの策定についてのお尋ねです。 御承知のとおり、都市マスタープランは平成8年5月に策定され、当区の都市計画に関する基本的な方針としての役割を果たしてきました。また、策定の意図である住民・事業者・行政の一体となって取り組むまちづくりの羅針盤としても活用されてきたものと考えています。 一方で、規制緩和の流れや予測し得ない開発動向など、激変するさまざまな状況に対応が追いつかないことなどにより、必ずしもまちづくりが描かれたとおりに進んでいない部分があることは承知をしています。今後の改定に当たっては、この10年間の総括を十分行い協働と参画をさらに重視し、変化する社会状況に適切に対応できるように区民とともに検討を行います。 最後に、まちづくり懇談会とさまざまな都市計画との関連についてのお尋ねです。 まちづくり懇談会は、新宿のまちづくりについて有識者から助言を得る場であり、まちづくりの方向性について一定の整理をしておくことを目的として設けました。各委員からは、専門の立場から貴重な御意見をいただくことができました。 まちづくり懇談会でいただいた助言やシンポジウム、フォーラムでの区民や事業者等の御意見を踏まえて、庁内の策定会議でこれからの新宿のまちづくりについての考え方や方向性をまちづくりグランドデザインとしてまとめてまいります。今後、このグランドデザインを、基本構想の見直しや新基本計画の策定、都市マスタープランの改定に際し、議論の素材として提供してまいります。 以上で私の答弁を終わります。 ◎教育長(金子良江) 教育委員会への御質問にお答えいたします。 東京都教育委員会が発した配布文書の制限通知に対する区教育委員会の考え方についてのお尋ねです。 学校から配布される文書は、外部団体から依頼された配布物等多岐にわたっているのが現状です。当然、学校の管理責任者である校長が配布文書を把握し、その責任において教育上及び学校運営上適当であると判断したものを配布しています。その際、児童・生徒及び保護者にとって教育的効果があるか、人権上問題はないか等のさまざまな判断をしています。 区教育委員会といたしましては、配布文書については、これまで校長が適正に管理運営していると認識しておりますので、東京都教育委員会のような通知文を出すことは考えておりません。 以上で私の答弁を終わります。 ◆38番(山田敏行) 自席から発言をさせていただきますけれども、区長と教育長から随分丁寧な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。 私が考えていたような方向での答弁もありましたし、そうでない答弁もありました。これからいろいろもっと突っ込んだ区長のお考えとか教育委員会のお考えをお聞きをするわけでありますけれども、予算特別委員会が開かれますし、私はその委員に指名をしていただくことになっておりますので、その場でまた機会がありましたからいろいろお聞きをしたいというふうに思います。 きょうはありがとうございました。(拍手) ○議長(山添巖) 以上で本日の代表質問は終了しました。 -------------------------------------- ○議長(山添巖) 次に、日程第2及び日程第3を一括議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △第41号議案 公の施設の指定管理者の指定について △第42号議案 公の施設の指定管理者の指定について     〔巻末委員会審査報告書の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(山添巖) なお、委員会審査報告書はお手元に配付しましたとおり、可決です。 お諮りします。 本案を、いずれも委員会審査報告のとおり決定することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(山添巖) 異議なしと認めます。 本案は、いずれも委員会審査報告のとおり可決されました。 -------------------------------------- ○議長(山添巖) 次に、日程第4を議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △第43号議案 公の施設の指定管理者の指定について     〔巻末委員会審査報告書の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(山添巖) なお、委員会審査報告書はお手元に配付しましたとおり、可決です。 お諮りします。 本案を、委員会審査報告のとおり決定することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(山添巖) 異議なしと認めます。 本案は、委員会審査報告のとおり可決されました。 -------------------------------------- ○議長(山添巖) 以上で本日の日程は終わりました。 次の会議は2月28日午後2時に開会します。ここに御出席の皆様には改めて通知しませんので、御了承願います。 本日はこれで散会します。 △散会 午後7時00分                  議長    山添 巖                  議員    なす雅之                  議員    そめたに正明...